リンクアンドモチベーション:3Q累計業績も順調な進捗、ふくおかフィナンシャルグループと提携開始
3Q業績に関しては、2桁増収増益着地と順調な進捗となっている。組織開発Divisionにおける注力事業であるコンサル・クラウド事業が伸長しており、主力のモチベーションクラウドの月会費売上が前年同期比26.7%増と大幅に成長。8月1日に「ピアボーナス®︎ Unipos」を提供するUnipos社を完全子会社化しており、これに伴って月会費売上が伸びている。さらに、10月より株式会社ふくおかフィナンシャルグループと提携を開始した。同社の顧客基盤17,000社を含む最大約52,000社に対して中小企業向けの「モチベーションクラウド ベーシック」を展開するようで、さらなる顧客拡大が想定される。そのほか、コンサルティングに加えて、マッチングDivisionのオープンワークを含む人材紹介事業が想定通りに伸長している。
また、決算発表と同時に株主優待制度における進呈品拡充が発表された。株主からの進呈品に関する要望や意見を踏まえて、進呈品に QUO カードを追加したようだ。同社は2Q時点で配当予想を上方修正し、株主優待の再導入を決定していた。毎年6月末日及び12月末日時点で1,000株以上を1年以上継続保有する株主を対象に、デジタルギフトを保有株数及び継続保有期間に応じて2,500円分(年5,000円分)-20万円分(同40万円分)を贈呈する。新 NISA(少額投資非課税制度)の開始による個人投資家層の拡大や「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」など、外部環境の変化を鑑みて優待の再導入を決めた背景がある。
2025年12月期の会社計画では、売上収益41,200百万円(同10.0%増)、営業利益6,220百万円(同13.4%増)を見込む。コンサル・クラウド事業の大幅な成長をドライバーに、ALT配置事業のさらなるシェア拡大に加えてオープンワークを含む人材紹介事業の伸長により、大幅な成長を見込んでいる。利益面では、利益率の高い筋肉質な経営をさらに進化させることで3期連続最高益、ROEについては30%以上の高い水準を想定している。
組織開発Division(2024年12月期売上収益構成比39.0%)では、企業向けにコンサル・クラウド事業とIR支援事業を展開している。現在は、コンサル・クラウド事業に注力しており、企業に対してコンサルティングとクラウドサービスを提供することにより、診断・変革を通じた人的資本経営の実践を支援。コアサービス「モチベーションクラウド エンゲージメント」は従業員エンゲージメント向上支援のSaaSであり、売上金額シェアは9年連続で業界トップを維持している(※1)。2025年3月末時点でコンサルティング年間支援社数約900社、モチベーションクラウド納品数1,366件となっている。一方、IR支援事業では、統合報告書や株主通信などの各種レポート作成のほか、動画配信などを提供。2024年12月末時点での支援企業数は323社だが、2025年にIR支援会社2社を完全子会社化、上場企業約4,000社中約4分の1を支援している。
※1 ITR「ITR Market View:ワークプレイス最適化市場2025」従業員エンゲージメント市場:ベンダー別売上金額およびシェア(2017~2025年度予測)。
個人開発Division(同16.9%)はキャリアスクール事業と学習塾事業に分かれている。キャリアスクール事業では、パソコンスクール・資格スクール・外国語スクールなどを全国に約50教室を展開するほか、オンラインにてサービスを提供。IT・資格・語学といった幅広い学習機会の提供に加え、個人の課題を診断し、その結果をもとにしたキャリアナビゲーターによる継続的な学習支援によってスキル獲得や資格取得が可能となっている。現在は、オンライン講座の拡充に注力している。
マッチングDivision(同44.2%)は、ALT配置事業と人材紹介事業で構成されている。ALT配置事業では、質の高い外国籍人材を主に小・中・高等学校へ派遣。全国の教育現場からの情報収集によって、自治体のニーズにあわせた質の高い英語教育機会の提供が可能となっている。また、創業以来培ってきたサポート体制によって、海外拠点での採用から授業・生活サポートまで一貫した支援が可能のようだ。2025年12月期第3四半期においては、過去12ヶ月平均ALT配置人数は3,301名、民間企業における市場シェア48.8%と民間企業において圧倒的なトップシェアを継続的に実現している。そのほか、人材紹介事業は、子会社のオープンワーク<5139>が事業を展開している。
人材市場を取り巻く環境は変化が激しく、労働市場適応の重要性・難易度が高まる一方、人材獲得競争やリスキリングの活性化なども進行している。こうした状況下で企業は人的資本経営への注力度を高めており、特に人材力の向上や従業員エンゲージメントの向上ニーズが強まっている。政府の人的資本開示指針や働き方改革の追い風を受け、従来型人材サービスにとどまらない同社のような総合コンサルティング・クラウド型サービスへの需要拡大が期待される。
このような状況下、今後は当面成長可能性の高いコンサル・クラウド事業に注力していく方針である。企業の「人的資本経営」を総合的に支援できる、他にはない優位性を発揮することで支援を拡大する。特に従業員数5,000名以上の企業における「モチベーションクラウド」の月会費売上は、前年同期比約130%と大幅に伸長している。引き続き単価の高い大手企業の導入に注力することで加速度的な成長を実現する見込み。また、フリー・キャッシュ・フローを活用してM&Aや事業提携等を通じてサービスを拡充することで、圧倒的な競争優位性を確立していく。配当利回りと優待利回りの合計である総合利回りが最大7.5%(※2)の高収益企業として、今後の株価推移には注目しておきたい。
※2 配当利回りは、2025年12月期の1株当たり年間配当金16.0円(予定)を2025年11月19日時点の株価(479円)で除した値。株主優待利回りは、2025年11月19日時点の株価(479円)で除した値。
<FA>
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