日本創発G Research Memo(4):2025年12月期は人件費増加等でEBITDA減益、特別利益計上で最終増益
1. 2025年12月期連結業績の概要
2025年12月期の連結業績は、売上高が前期比8.6%増の86,987百万円、営業利益が同30.8%減の3,010百万円、経常利益が同23.8%減の3,201百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同127.4%増の6,530百万円、営業利益ベースEBITDA(=営業利益+減価償却費+のれん償却額)が同15.5%減の5,322百万円となった。売上高はM&A効果により増収、営業利益、営業利益ベースEBITDA、経常利益は人件費増加などにより減益、親会社株主に帰属する当期純利益は特別利益(固定資産売却益5,758百万円)計上により増益となった。計画(2025年2月14日付の期初公表値、売上高85,000百万円、営業利益3,600百万円、経常利益3,200百万円、親会社株主に帰属する当期純利益5,500百万円、営業利益ベースEBITDA5,850百万円)に対しては、売上高が1,987百万円、経常利益が1百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が1,030百万円それぞれ上回ったが、営業利益が589百万円、営業利益ベースEBITDAが527百万円それぞれ下回った。
売上高の事業分野別構成比は印刷分野が65%(うち高付加価値サービスが10~15%)、ITメディア セールスプロモーション分野が20%、プロダクツ分野が15%となった。売上高の前期比増加額は6,887百万円で、このうち新規企業連結(損益計算書)効果が約72.8億円となった。したがって既存事業会社は小幅減収の形だが、これは売上規模の拡大を追求せず高付加価値化を推進していることが主因である。そして利益面では売上総利益が同18.4%増加し、売上総利益率が同2.6ポイント上昇して31.9%となった。原材料(用紙、版に使用するアルミなど)価格高騰影響が継続したが、チラシ印刷等の低採算取引を縮小して高付加価値化を推進したほか、内製化率向上によって外注加工費の増加を抑制したことも寄与した。販管費は同29.7%増加し、販管費比率は同4.6ポイント上昇して28.4%となった。新規連結や積極的な人的資本投資に伴って人件費や賃借料などが増加した。この結果、営業利益率は同1.9ポイント低下して3.5%、営業利益ベースEBITDAマージンは同1.8ポイント低下して6.1%となった。営業外費用では前期計上の貸倒引当金繰入額630百万円が一巡した。
営業利益の前期比1,341百万円減益の増減分析は、売上高増加で同6,887百万円増加、原材料費増加で同1,931百万円減少、外注加工費減少で同400百万円増加、運搬費・版権料・保管費増加で同153百万円減少、その他の原価増加で同458百万円減少、人件費増加で同3,513百万円減少、減価償却費・のれん償却額増加で同365百万円減少、賃借料増加で同608百万円減少、その他の経費増加で同1,599百万円減少となった。なお、2025年4月入社の新卒は139名、2025年12月期末時点の従業員数は前期末比462名増の4,038名、設備投資額は同2,456百万円増の4,324百万円、減価償却費は同284百万円増の2,150百万円となった。
財務面の懸念材料はない
2. 財務の状況
2025年12月期末の資産合計は前期末比9,954百万円増加して85,058百万円となった。主に流動資産の現金及び預金が同732百万円減少、受取手形が同561百万円減少した一方で、固定資産の機械装置及び運搬具が同2,246百万円増加、建設仮勘定が同3,000百万円増加、投資有価証券が同2,919百万円増加した。これは、付加価値の高い印刷物へのシフトや生産性の向上に向けて、印刷製造分野で設備更新(大規模な設備廃棄+最新鋭設備の導入)を進めているためである。負債合計は同4,663百万円増加して63,774百万円となった。有利子負債の内訳としては、流動負債で短期借入金が同2,000百万円減少して23,000百万円、1年以内償還予定の社債が同500百万円増加して500百万円、1年以内返済予定の長期借入金が同2,700百万円減少して4,300百万円、固定負債で社債が同3,749百万円増加して3,749百万円、長期借入金が同6,250百万円増加して17,225百万円となった。金利動向を勘案して長期固定化を進めた。純資産合計は同5,291百万円増加して21,283百万円となった。利益剰余金が同4,748百万円増加したほか、自己株式が同314百万円減少した。この結果、自己資本比率は同3.9ポイント上昇して24.4%となった。
なお同社はM&A・設備投資・運転資金として長短借入金を活用している。2025年12月期末時点の有利子負債残高(長短借入金と社債の合計残高)は同5,799百万円増加して48,774百万円となった。中長期的には有利子負債の削減や自己資本比率の向上が課題となるが、現状は有利子負債が経営上の負担とはなっていないため、特に懸念材料にならないと弊社では考えている。
■今後の見通し
2026年12月期の営業利益ベースEBITDAは増益、過去最高予想
● 2026年12月期連結業績予想の概要
2026年12月期の連結業績予想は、売上高が前期比9.2%増の95,000百万円、営業利益が同20.3%減の2,400百万円、営業利益ベースEBITDAが同24.0%増の6,600百万円、経常利益が同12.5%増の3,600百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同69.4%減の2,000百万円としている。売上高は既存事業会社が順調に成長し、新規連結事業会社も寄与して増収、営業利益は生産性向上など売上総利益率改善を推進するが人件費や減価償却費の増加により減益、営業利益に減価償却費とのれん償却額を加えた営業利益ベースEBITDAは増益、経常利益は営業外収益で設備投資に係る補助金収入が寄与して増益、親会社株主に帰属する当期純利益は前期計上の不動産売却益が剥落して減益の見込みとしている。
なお2026年4月の新卒入社予定は120名である。人的資本投資として積極採用に加え、物価高騰を背景とした給与水準の見直しも継続する。減価償却費は同1,750百万円増の3,900百万円の見込みである。2026年12月期までを事業基盤強化の時期と位置付けて前期に高水準の設備投資を実行したため、当期は減価償却費が大幅に増加して営業利益を押し下げる要因となる。ただし営業利益ベースEBITDAは増益・過去最高見込みである。そして設備投資の効果も寄与して2027年12月期以降の収益性向上につながることが期待できると弊社では考えている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田 雅展)
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