ファンペップ Research Memo(1):花粉症ワクチンは2026年下期の試験結果次第で本契約締結の可能性
ファンペップ<4881>は、大阪大学大学院医学系研究科の機能性ペプチドの研究成果を実用化する目的で、2013年に設立されたバイオベンチャーである。独自開発した機能性ペプチドをベースとした抗体誘導ペプチド技術により、高額な抗体医薬品と差別化できる医薬品の開発に取り組んでいる。
1. 花粉症ワクチン「FPP004X」の第1相臨床試験結果は2026年下期に判明予定
2025年3月より、花粉症ワクチンとして開発を進める「FPP004X」の国内第1相臨床試験の被験者への治験薬投与が2025年10月に完了した。同ワクチンはシーズン前に1回投与(注射投与)することで花粉症の症状を抑制し、患者のQOL(Quality Of Life)向上に大きく貢献することが期待される。試験結果は2026年下期に判明する予定で、良好な結果であればオプション契約先の塩野義製薬<4507>とライセンス本契約※を締結する可能性がある。国内だけで数百億円のポテンシャルが期待できると弊社では見ており、同試験の結果が注目される。本契約に移行した場合、第2相臨床試験以降の開発費用は塩野義製薬が負担することになる。
※ オプション契約の一時金として3億円を獲得する。オプション権の行使が確定した場合、ライセンス契約一時金及び開発・販売の進捗に応じたマイルストーンとして最大178億円、さらに販売額に応じたロイヤリティも得られる。
2. 皮膚潰瘍治療薬「SR-0379」の追加第3相臨床試験結果は2027年上期に判明予定
皮膚潰瘍(褥瘡、糖尿病性潰瘍、下腿潰瘍)を適応症とする機能性ペプチド「SR-0379」の追加第3相臨床試験は、2025年12月時点で目標症例数142例の半数に相当する71例の登録が完了するなど順調に進捗している。主要評価項目は外科的処置(縫合、植皮、有茎皮弁)までの日数となる。前回実施した第3相臨床試験で有効性が確認された特定患者(潰瘍サイズが36cm2未満)を対象にしているため、成功確率は高いと弊社では見ている。順調に進めば2027年上期にも試験結果が判明する。弊社は、有効性が再現できれば承認申請を経て、2028年内の上市を目指すスケジュールが検討されるものと推察している。国内の対象患者数は約100万人で、今後も高齢化社会の進展に伴い患者数の増加が見込まれる。「SR-0379」を使用することで早期の外科的処置を可能にし、患者のQOL向上に貢献する治療薬として期待されている。売上ポテンシャルとしては、国内で数十億円規模と試算され、ライセンス契約先の塩野義製薬からロイヤリティ収入を得ることになり、海外での開発を進める可能性も出てくる。
3. その他開発動向
2025年は、少なくとも1品目のパイプライン追加と、前臨床試験の開始を予定していた。しかし、リソースが限られ事業性なども考慮し、現在は慎重にパイプラインを決定する方針へ転換している。有力候補には、片頭痛や脂質異常症などを対象とした抗体誘導ペプチドが挙がっている。また、住友ファーマ<4506>との「FPP003」に関するオプション契約は2025年10月に終了し、今後は新たなライセンス先を探索する。一方、次世代創薬技術の強化にも注力している。富士フイルム和光純薬(株)と研究委託契約を締結したほか、AI創薬支援コンサルティング契約を(株)ゼウレカと締結した。特殊ペプチド(非天然アミノ酸を含む環状ペプチド)技術の活用により、経口剤としての創薬という新たな可能性を追求し、今後のパイプラインの拡充につなげていく考えだ。
4. 業績動向
2025年12月期の連結業績は、事業収益で0.3百万円(前期は6百万円)、営業損失で1,648百万円(同901百万円の損失)となった。事業収益は化粧品向けなどの機能性ペプチドの販売額を計上した。費用面では、「SR-0379」及び「FPP004X」の臨床試験開始により、研究開発費が前期比755百万円増加の1,296百万円となった。2026年12月期の業績計画は非開示だが、「FPP004X」の被験者登録が完了したこともあり、研究開発費用は800百万円に減少し、販管費も300百万円程度に抑える計画だ。2025年12月末の現金及び預金は1,768百万円となっており、新株予約権の行使等により資金調達を進めていく。
■Key Points
・花粉症ワクチンは2026年下期に発表予定の臨床試験結果に注目
・皮膚潰瘍治療薬の追加第3相臨床試験結果が良好であれば製造販売承認申請へ
・開発効率の高い抗体誘導ペプチドで抗体医薬品との差別化を図り、高成長を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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