グロービング Research Memo(1):2026年5月期予想を上方修正。期末に初の配当を実施予定
グロービング<277a>は、エンタープライズ向けに経営戦略や事業戦略などを策定から推進まで支援するコンサルティング事業を展開している。併せて、そのノウハウを型化したクラウドプロダクトの開発や、コンサルタントの主要業務を代替するAIエージェントの開発・提供を行うAI事業を推進している。
1. 2026年5月期中間期の業績概要
2026年5月期中間期の業績は、売上高が5,651百万円(前年同期比45.9%増)、営業利益が2,103百万円(同47.3%増)、経常利益が2,116百万円(同50.6%増)、親会社株主に帰属する中間純利益が1,562百万円(同77.5%増)となった。売上高・営業利益ともに中間期ベースで過去最高額を達成した。売上面では、企業のDX投資、AI活用、新規事業開発ニーズの拡大を背景としてコンサルティング需要が拡大し、高成長を維持した。なかでも、顧客の業務プロセスや基幹システムに深く関与するJI(Joint Initiative)型コンサルティングの浸透により継続的な取引関係が構築され、既存顧客を中心に案件規模や取引範囲が拡大した。併せて、コンサルタント人員の増強も進み、事業拡大を支える体制を整備した。利益面では、高い稼働率と適正なプロジェクト収益性を確保するとともにAI人材の有効活用によるコスト抑制が奏功し、収益性が向上した。
2. 2026年5月期の業績見通し
2026年5月期の通期業績は、売上高が11,800百万円(前期比42.9%増)、営業利益が4,000百万円(同42.8%増)、経常利益が4,012百万円(同44.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益が2,809百万円(同58.9%増)と、大幅な増収増益を見込んでいる。同社は中間期までの順調な進捗を受け、通期見通しを上方修正した。AI事業を起点とする共同開発型のJIコンサルティングが引き続き拡大しており、下期にかけて高付加価値案件の増加や利益率の改善が見込まれる。足元の受注環境や稼働状況を踏まえると、さらなる上振れも十分に期待される。下期は即戦力コンサルタントの継続採用により人員増を図る一方、社内でのAI・DX活用を通じて1人当たり生産性の向上も進めており、人員増以上の売上拡大が期待される。JI型コンサルティングの高稼働が維持されるなか、AIエージェントやクラウドプロダクトを軸とした共同開発が案件規模の拡大に寄与する見通しである。なお、2026年5月期より配当性向30%を目途に配当開始を決定した。2026年5月期の1株当たり配当金は1株当たり15.0円(期末配当)と予想している。
3. 今後の成長戦略
同社の成長戦略は、これまで成長をけん引してきた高付加価値型のコンサルティング事業を基盤としつつ、AI活用による生産性向上と、蓄積した知見の再利用・横展開を通じて、ビジネスモデルの拡大を図る構想である。生成AIをはじめとするAI技術の急速な進化は同社にとって追い風であり、同社は変化に淘汰される側ではなく、AIを活用して業務や意思決定の在り方を再設計する側に立つ。コンサルティング事業においては、創業当初から高単価・高利益率の領域に特化してきた点が競争力の源泉となっており、今後はこの強みを起点として戦略実行やオペレーション変革支援など、よりスケールしやすい領域へと支援範囲を拡大する。AI活用の面では、調査や資料作成といった定型業務をAIエージェントが代替し、コンサルタントが付加価値の高い業務に集中できる体制の構築を進めている。特定のAIモデルに依存する自前主義は採らず、外部AIの進化をそのまま提供価値の向上へつなげる方針である。AIコンサルタント、AIアウトソーシング、AIマネジメントを一体的に提供することで、企業の生産性向上を継続的に支援する考えである。加えて、日本型経営の強みを「人」を中心に再定義した“動的平衡”マネジメントを体系化や、蓄積された知見のAI・クラウド実装など、独自の経営資産を構築できるかが中長期的な成長のカギを握ると考える。
■Key Points
・2026年5月期中間期業績は売上高・営業利益ともに中間期で過去最高を達成
・JIコンサルティングの拡大・共同開発の本格化により両事業とも大幅成長
・2026年5月期は上方修正を経て大幅な増収増益を予想、さらなる上振れも
・配当性向30%を目途に配当開始。2026年5月期は期末15.0円配予想
(執筆:フィスコ客員アナリスト 吉林 拓馬)
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