ミダックHD Research Memo(3):廃棄物処分事業、収集運搬事業、仲介管理事業を展開
1. 事業概要
ミダックホールディングス<6564>は産業廃棄物・特別管理産業廃棄物の収集運搬・処分、及び一般廃棄物の収集運搬・処分を展開している。廃棄物とは「占有者が自ら利用又は他人に有償で売却することができないために不要となったもの(放射性物質及びこれによって汚染された物を除く)」で、産業廃棄物と一般廃棄物に大別される。
産業廃棄物とは、事業活動に伴って生じた廃棄物のうち廃棄物処理法で規定された20種類の廃棄物(燃え殻、汚泥、廃油、廃酸、廃アルカリ、廃プラスチック類、ゴムくず、金属くず、ガラスくず・コンクリートくず及び陶磁器くず、鉱さい、がれき類、ばいじん、紙くず、木くず、繊維くず、動植物性残さ、動物系固形不要物、動物のふん尿、動物の死体、以上の産業廃棄物を処分するために処理したもので上記の産業廃棄物に該当しないもの)である。産業廃棄物のうち、爆発性、毒性、感染性のある廃棄物を特別管理産業廃棄物という。
一般廃棄物は廃棄物処理法で規定された産業廃棄物以外の廃棄物である。一般廃棄物は事業系一般廃棄物(事業活動に伴って生じた廃棄物で産業廃棄物以外のもの)、家庭廃棄物(一般家庭の日常生活に伴って生じた廃棄物)、特別管理一般廃棄物(廃家電製品に含まれるPCB使用部品、ごみ処理施設の集じん施設で集められたばいじん、感染性一般廃棄物など)に分類される。
(a)事業区分・内容
同社は事業区分を廃棄物処分事業、収集運搬事業、仲介管理事業、その他としている。廃棄物処分事業は、事業者(企業・地方公共団体等)から排出される廃棄物を、自社施設で中間処理(焼却、破砕、水処理、コンクリート固化など)及び最終処分する廃棄物処理サービスである。収集運搬事業は、事業者から排出される廃棄物をタンクローリー車やパッカー車などによって回収し、処理場まで運搬するサービスである。仲介管理事業は、自社処理が困難な廃棄物や自社の商圏以外の廃棄物について、自社以外の処理業者へ顧客(排出事業者)を紹介するサービスである。廃棄物処分事業及び収集運搬事業では排出事業者から中間処理・最終処分及び収集運搬にかかる料金、仲介管理事業では処理業者から仲介手数料を得る。その他は2023年7月に子会社化した遠州砕石の砕石製造・残土処分事業等である。
中間処理とは、最終処分に先立って廃棄物を減量・減容化、安定化、無害化、資源化することである。廃棄物の性状に応じて焼却、破砕・選別、圧縮・成形、中和、脱水、溶融などの処理を行う。最終処分とは、廃棄物を埋め立て処分、海洋投棄処分、再生によって最終的に処分することである。埋め立て処分は、廃棄物の環境への無用な拡散や流出を避けるために、陸上や水面の限られた場所を区切って貯留構造物を造成し、廃棄物を埋め立て貯留して年月をかけて自然に戻そうとするもので、安定型最終処分場(廃プラスチック類やがれき類など、そのまま埋め立て処分しても環境保全上支障のないものだけを埋め立てる処分場)、遮断型最終処分場(有害物質を含む廃棄物等を埋め立てる処分場で、コンクリートの囲いと屋根で周囲から遮断された構造)、及び管理型最終処分場(安定型最終処分場では処分できないが遮断型最終処分場の基準ほど有害物質の含有が多くない廃棄物等を埋め立てる処分場で、有害物質の溶出やガス・汚水が発生するため遮水工や浸出水処理施設の設置が義務付けられている)の3つに分類される。
(b)事業環境
同社が属する国内産業廃棄物処理業界(廃棄物処理・リサイクルサービス)の推定市場規模(出典:環境省「環境産業の市場規模・雇用規模等に関する報告書 令和7年3月」)は2023年に4兆8,315億円となり、2019年の4兆236億円に対して約20%拡大している。国内の産業廃棄物の総排出量(出典:環境省「産業廃棄物排出・処理状況調査報告書(令和5年度速報値)」)は2023年度が合計365百万トンだった。2009年度に400百万トンを割り込んだ後は、廃棄物の再生利用(3R=Reduce、Reuse、Recyle)の進展により徐々に減少傾向であるものの、今後も一定の廃棄物排出が継続すると予測されている。
最終処分量(出典:環境省「産業廃棄物排出・処理状況調査報告書(令和5年度速報値)」)については、2018年度以降はおおむね9百万トンで推移している。2010年度の14百万トンに比べて減少した形だが、環境省「循環型社会形成推進基本計画(令和6年8月)」では2030年度の一般及び産業廃棄物の最終処分量の数値目標を約11百万トンと設定しており、今後も最終処分は不可避的に発生し、最終処分場が社会に不可欠な存在であることに変化はないと考えられる。
また、全国の最終処分場(設置許可数)は2023年4月1日時点(出典:環境省「産業廃棄物処理施設の設置、産業廃棄物処理業の許可等に関する状況(令和4年度実績)」)で全国に1,551件となっている。最終処分場の残存容量は合計18,063万m3(遮断型処分場が2万m3、安定型処分場が6,625万m3、管理型処分場が11,435万m3)で前年度比304万m3(1.7%)増加した。残余年数(=残存容量/最終処分量)は全国が20.0年で、このうち首都圏は11.7年、近畿圏は18.2年となっている。
さらに近年では、ビジネス活動を通じて循環型社会を実現する「サーキュラーエコノミー」と、2019年5月のプラスチック資源循環戦略の基本原則として記載された「3R+Renewable」が注目され、動脈産業と同様に静脈産業の重要性が高まっている。同社を取り巻く事業環境は良好と言えるだろう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田 雅展)
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