ミダックHD Research Memo(4):収集運搬~中間処理~最終処分の一貫処理体制が特徴・強み
2. 特徴・強み、事業拠点
ミダックホールディングス<6564>の特徴・強みとしては、同業の多くが収集運搬業のみや中間処理業のみであるのに対して、同社グループは様々な設備を有することで、収集運搬から中間処理・最終処分までを請け負う一貫処理体制を構築していることがある。この結果、極めて利益率の高い収益構造となっている。顧客となる排出事業者は、廃棄物処理の過程で不適正処理等される心配がなく、安心して同社に廃棄物処理を委託できる。さらにグループ内で一貫処理することにより、中間処理施設でのコスト削減を実現するなどグループシナジーを高めていることも特徴だ。
グループの事業拠点は、ミダックの本社事業所で汚泥や廃液の中間処理及び収集運搬、豊橋事業所で廃棄商品等の破砕・選別及び汚泥等の選別・混練、富士宮事業所で各種廃棄物の焼却、遠州クリーンセンター(静岡県浜松市)で管理型最終処分場、浜名湖クリーンセンター(静岡県浜松市)で安定型最終処分場、奥山の杜クリーンセンター(静岡県浜松市)で管理型最終処分場を展開しているほか、三晃の春日井事業所は汚泥等をコンクリート固化する中間処理、関事業所は汚泥・廃液の中間処理、ミダックこなんは固形廃棄物の破砕・選別・圧縮、遠州砕石は砕石、ミダックライナーとフレンドサニタリーは収集運搬を展開している。また大平興産は千葉県において管理型最終処分場(千葉県の大塚山処分場、1985年開設)を展開している。廃棄物排出量の多い、いわゆる「太平洋ベルト地帯」のほぼ真ん中に位置する静岡県浜松市を地盤として、商圏を東西の関東エリア〜中部エリアに展開していることも特徴・強みである。
なお、大平興産は第三処分場第七堰堤工区工事中のため、廃棄物の搬入制限を継続していたが、2025年11月より搬入を再開した。
また2024年6月に遠州クリーンセンターの管理型最終処分場埋立容量増量計画について浜松市より産業廃棄物処理施設変更許可証を受領、同年7月にミダックの新規水処理施設(都田テクノプラント、2026年4月以降稼働予定)について浜松市より産業廃棄物処理施設設置許可証を受領、2025年2月に浜名湖クリーンセンターの安定型最終処分場埋立容量増量計画について産業廃棄物処理施設変更許可証を受領した。そして同年4月に遠州クリーンセンターの管理型最終処分場における埋立容量増量にかかる工事が完了して産業廃棄物処分業許可証が書き換えられ、同年7月に浜名湖クリーンセンターの安定型最終処分場における埋立容量増量にかかる工事が完了して産業廃棄物処分業許可証が書き換えられた。
廃棄物処分事業の売上高、営業利益が拡大基調、営業利益率も上昇基調
3. セグメント別の推移
過去5期(2021年3月期~2025年3月期)の推移を見ると、主力の廃棄物処分事業は売上高、営業利益とも拡大基調であり、営業利益率も上昇基調である。売上高は2021年3月期の4,975百万円から2025年3月期の8,902百万円へ約1.8倍に拡大、営業利益は同じく2,162百万円から4,951百万円へ約2.3倍に拡大し、営業利益率は同じく43.5%から55.6%へ12.1ポイント上昇した。2022年2月に許可取得・供用開始した奥山の杜クリーンセンターを中心とする廃棄物受託量の順調な増加に伴い、利益率の高い焼却(中間処理)や最終処分の売上が拡大基調であることが主因だ。収集運搬事業は2024年3月期より売上高、営業利益とも急拡大(2025年3月期の売上高は2023年3月期比2.8倍の2,023百万円、営業利益は同5.5倍の529百万円)し、営業利益率も2025年3月期には26.2%へ上昇した。これは2024年3月期第3四半期より、収益性の高いし尿収集運搬業を主力としているフレンドサニタリーのP/Lを連結したことが主因である。この結果、連結ベースの営業利益率は2021年3月期の33.0%から2025年3月期の41.6%へ8.6ポイント上昇した。このように極めて利益率の高い収益構造となっていることも同社の特徴である。
なお2026年3月期中間期の営業利益率は連結ベースが36.8%、廃棄物処分事業が52.0%、収集運搬事業が22.3%となり、いずれも2025年3月期(通期)に比べて低下したが、これは廃棄物処分事業では大平興産(2026年3月期第2四半期よりP/L連結)において最終処分場工事のため廃棄物の搬入制限を行ったこと、収集運搬事業ではフレンドサニタリーにおいて前期のスポット案件(し尿処理関連工事)の反動減が影響したことによる。
法的規制リスクに対してガバナンスを強化、市場競合リスクは小さい
4. リスク要因と課題・対策
産業廃棄物処理業界の一般的なリスク要因としては、法的規制、最終処分場の開発、景気変動などによる廃棄物排出量の増減、市場競合の激化などがある。法的規制については、廃棄物処理法及びその関係法令による規制があるが、同社においては業務停止命令や許可取消等の行政処分を受けることのないよう、グループ全体のガバナンスを強化してコンプライアンス遵守に努めている。最終処分場については所定の埋め立て容量を埋めてしまうと操業を終了するが、新たな最終処分場の開発には自治体との事前協議、土地選定・取得、環境アセスメント、地域住民への説明などを経て、自治体の許可を取得したうえで建設着工する。かなりの期間を要するため、同社は中長期的な事業計画に沿って新たな最終処分場の開発計画を推進している。
廃棄物排出量については当面は特に大きな変化は見られず、今後も一定の廃棄物排出が継続すると予測されている。市場競合については、産業廃棄物処理業界は収集運搬業のみや中間処理業のみの比較的小規模な事業者が多い業界であるのに対して、同社グループは一貫処理体制を構築している強みにより、競合優位性を維持している。こうした点を勘案すれば、景気変動などによる廃棄物排出量の増減や市場競合の激化による同社の業績悪化リスクは小さいと弊社では考えている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田 雅展)
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