アイナボHD Research Memo(3):2025年9月期中間期は1.5%の営業増益。利益率の高い大型工事が寄与
1. 2025年9月期中間期の業績概要
(1) 損益状況
アイナボホールディングス<7539>の2025年9月期中間期の連結業績は、売上高47,450百万円(前年同期比2.8%増)、営業利益1,593百万円(同1.5%増)、経常利益1,770百万円(同2.9%増)、親会社株主に帰属する中間純利益1,084百万円(同0.5%増)となり、ほぼ計画どおりとなった。
売上高は、戸建住宅事業・大型物件事業ともに増収となり、特に戸建住宅事業における住設工事と大型物件事業におけるタイル工事が寄与した。売上総利益率は14.9%と前年同期比で0.4ポイント改善したが、主に利益率の高い大型工事の比率の上昇による。販管費は働き方改革に伴う人件費増(人員増や物価高手当等)などにより同6.7%増(346百万円増)となったものの、売上総利益の増加額(369百万円)を下回ったため、営業利益は1.5%の増益となった。住宅市場全般が厳しい環境下で、堅調な業績を示したと言える。
営業利益の増減内訳は、増収による売上総利益の増加が131百万円、売上総利益率の改善が237百万円、販管費の増加が346百万円となった。この結果、営業利益は前年同期比23百万円増となった。
(2) セグメント別状況
a) 戸建住宅事業
戸建住宅事業の売上高は39,452百万円(前年同期比3.0%増)、セグメント利益は1,733百万円(同0.3%減)となった。サブセグメント別売上高は、外壁工事が8,736百万円(同0.6%減)、住設工事が12,479百万円(同5.9%増)、建材販売が8,511百万円(同1.7%増)、住設販売が9,724百万円(同3.9%増)となった。
厳しい環境が続いたことから外壁工事は微減となった。しかし、住設工事・建材販売・住設販売は、確認申請変更による駆け込み需要や主要子会社である(株)アベルコの健闘により増収となり、セグメント全体でも増収となった。セグメント利益は、比較的利益率の高い外壁工事や建材販売の増収率が低かったため、人件費などによる経費増加を吸収できず、営業利益は微減となった。
b) 大型物件事業
大型物件事業の売上高は7,998百万円(同1.7%増)、セグメント利益は708百万円(同17.5%増)となった。サブセグメント別売上高では、タイル販売・工事が2,893百万円(同19.7%増)、住設販売・工事が5,104百万円(同6.3%減)となった。
タイル販売・工事は、首都圏での進行基準案件が進捗したことに加え、2023年10月に連結化した(株)ミックの寄与で増収となった。住設販売・工事は、子会社の温調技研(株)が減収となったことからセグメント売上高は減収となったが、セグメント利益は、比較的利益率の高い工事が完工したことなどから、増益となった。
(3) 事業会社別業績
主力子会社であるアベルコは、売上高31,714百万円(前年同期比2.1%増)、営業利益1,343百万円(同13.1%増)となった。住宅市場の状況は必ずしも堅調とは言えなかったが増収増益を維持した。(株)インテルグローは売上高6,801百万円(同5.0%増)、営業利益62百万円(同38.0%減)となった。売上高は増加したが、販管費の増加を吸収できず営業減益となった。温調技研は売上高1,184百万円(同18.1%減)、営業利益233百万円(同8.4%増)となった。減収ではあったが、比較的利益率の高い案件が完工したことから、増益となった。(株)今村は売上高2,055百万円(同21.4%増)、営業利益52百万円(同160.0%増)となった。住宅市場全体は厳しい状況であったが、売上高を確保したことから増益を維持した。(株)アルティスは売上高266百万円(同9.5%減)、営業損失14百万円(前年同期は12百万円の損失)を計上した。アルティスは、広告宣伝としての役割も担うことから、まずまずの結果であったと評価される。(株)マニックスは、売上高4,862百万円(同0.4%減)、営業利益48百万円(同48.9%減)となった。(株)Maristo(マリスト)は売上高545百万円(同18.4%減)、営業損失30百万円(前年同期は43百万円の営業利益)を計上した。売上高が伸びず経費増を吸収できなかったことから、営業損失となった。2024年9月期に連結子会社となったミックは売上高670百万円(前年同期比70.5%増)、営業利益65百万円(同160.0%増)と好調に推移した。
(4) 重点課題の達成状況
同社が「重点課題」として掲げるサイディング、サッシ、ブランド事業(タイル「マリスト」、高級浴槽「アルティス」)の各課題の達成状況は以下のとおりである。
サイディングの売上高は2,220百万円(前年同期比16.1%増)となり、堅調に推移した。非住宅の売上高は1,998百万円(同6.0%減)となったが、通期目標4,000百万円に対しての進捗率は50.0%と比較的堅調である。サッシ(マンション+戸建て)の売上高は1,954百万円(同7.5%増)、サッシ(戸建住宅のみ)の売上高は1,556百万円(同2.8%増)となった。サッシ全体では堅調であったと言える。通期目標に対しての進捗率は30%前後に留まったものの、通期目標が高い設定であることを勘案すれば、内容としては悪くないと評価できる。
ブランド事業では、「マリスト」の売上高は545百万円(前年同期比18.4%減、同123百万円減)となった。通期目標に対する進捗率は37.6%であったが、目標値が高いこともあり、まずまずの結果であったと評価される。「アルティス」の売上高は266百万円(同9.4%減、同28百万円減)となった。通期目標540百万円に対する進捗率は49.3%であり、順調に拡大していると評価できる。新規顧客開拓については345件となり、同5件減少したが、売上高は382百万円(同6.0%増)となった。同社は「売上高は後からついてくる傾向があるため、件数が増加している点は評価している」としている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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