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紀文食品 Research Memo(1):目標達成へ向け中期経営計画は順調に進捗


*11:01JST 紀文食品 Research Memo(1):目標達成へ向け中期経営計画は順調に進捗 ■要約

1. 会社概要
紀文食品<2933>は、スリミ(SURIMI)製品※のトップメーカーで、主にスーパーマーケットやコンビニエンスストア向けに販売している。スリミ製品は蒲鉾や竹輪、さつま揚、はんぺんなどを総称した食品で、原材料となる魚が各地で異なるため、それぞれの地方で様々な種類の製品が作られてきた。同社は、日本各地のスリミ製品のフルライン化をいち早く進めるとともに、独自でチルド物流や販売手法を確立したことで、約3,000億円と言われる国内スリミ製品市場でトップシェアを獲得するに至った。こうした国内食品事業のノウハウと「紀文」ブランドを生かし、食品関連事業では外部企業にチルド物流サービスを提供、海外食品事業では健康志向を背景に魚食の食文化への浸透が進むアジアや欧米でスリミ製品などの販売拡大を進めている。

※ 2025年2月より「水産練り製品」を「スリミ(SURIMI)製品」と呼称。

2. 同社の強み
同社には、スリミ製品の企画・開発力、全国を網羅するチルド物流、小売との信頼に基づく販売力、紀文ブランド、海外の拠点とネットワークという強みがある。同社の製品は、魚肉・大豆・鶏卵・鶏肉畜肉の4つのタンパク特性に関する長年の研究を基盤に、独創的な技術と柔軟な発想によって様々なシーンに合わせて開発されている。チルド物流では、集荷から配送までの全工程でチルド温度帯管理が可能な物流ネットワークを独自技術によって実現、同業も含め多くの食品メーカーに利用されている。販売力は、スーパーマーケットやコンビニエンスストアなど様々な小売と直接取引することにより深い信頼関係を築いたことで獲得している。こうした強みを背景に高い認知度の「紀文」ブランドを構築、また、海外進出して40年の知見が強力な海外拠点とネットワークを形成した。

3. 2025年3月期の業績動向
2025年3月期の業績は、売上高が108,912百万円(前期比2.2%増)、営業利益が4,513百万円(同4.4%減)となった。売上高は、国内食品事業と食品関連事業が堅調に推移して増収を確保した。営業利益は、原材料価格の安定化や自社製品構成比の上昇などにより採算は改善したが、人件費や活動費、国内配送費、海上運賃などが増加したため減益となった。特に下期に入って月を追って原材料価格が上昇、上期の好業績を持続できなかった。セグメント別利益では、海外食品事業はスリミ製品を中心に付加価値の高い自社製品構成比の上昇で、食品関連事業は価格改定や物量増、積載効率の向上などにより、いずれも2ケタ増益となったものの、価格競争やコスト増で苦戦した国内食品事業のマイナス分をカバーしきれなかった。

4. 2026年3月期の業績見通し
2026年3月期の業績見通しについて、同社は売上高115,626百万円(前期比6.2%増)、営業利益5,020百万円(同11.2%増)と見込んでいる。原材料価格が上昇傾向となったが、アイテム数の削減や価格改定など諸施策により国内食品事業が回復、業績見通しを達成する計画である。中期経営計画については、長期経営戦略に掲げた「総合食品グループ」の実現に向けた国内販売会社の再編を行う一方、経営資源の効率化に向け工場再編の検討を開始、すり身生産・供給トップのマルハニチロ<1333>との資本業務提携では高品質で安定した原材料調達が可能になるなど、着実に進捗したといえる。諸施策にしっかり取り組んで2026年3月期業績を達成すれば、営業利益60億円など中期経営計画最終年度2027年3月期の目標も視野に入ると考える。

■Key Points
・スリミ製品のトップメーカーで「紀文」ブランドに定評。企画・開発力などに強み
・前期は下期に入って徐々に原材料価格が上昇、上期の好業績を維持できず減益
・今期も原材料価格上昇のなか2ケタ増益予想、達成できれば中期経営計画目標が視野入りへ

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)

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