大豊建 Research Memo(5):経常・最終利益は増益の計画構造改革を進め収益基盤の整備へ
大豊建設は、2026年3月期の業績見通しを発表しました。売上高は前期比で減少が見込まれるものの、経常利益と当期純利益は増益が期待されています。特に、収益性を重視した選別受注や事業構造改革が推進されており、建築事業では高い利益率の案件への切り替えが進んでいます。一方、土木事業では繰越案件や人件費増加が課題として残りますが、物流施設の売却に伴う配当収入が営業外収益を押し上げる見通しです。これにより、全体的な収益基盤の強化が期待されています。
● 2026年3月期の業績見通し
大豊建設<1822>の2026年3月期通期の連結業績は、売上高が前期比2.4%減の140,000百万円、営業利益が同6.0%減の5,200百万円、経常利益が同23.0%増の6,400百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同8.4%増の4,000百万円と、減収ながら経常利益及び当期純利益は増益を確保する見通しである。
2026年3月期は、前期に引き続き収益性の確保及び施工体制の最適化を重視した選別受注の方針を継続する構えであり、受注高は前期比11.8%減の133,200百万円の計画である。事業セグメント別では、土木事業は同社が強みとする「シールド工法」や「ニューマチックケーソン工法」などの専門性の高い案件を中心に受注拡大を図る方針であり、同5.0%増の63,000百万円となる見通しである。他方で、建築事業は既に多くの繰越案件を抱えており、無理のない施工体制の維持を優先するためにあえて新規案件の受注を抑制する姿勢であり、同22.9%減の69,500百万円とする見通しである。
利益面について事業セグメントごとに見ると、建築事業については前期から推進してきた選別受注の成果により、利益率の高い案件への入れ替えが進展している。売上総利益率は、採算性の向上により前期比1.7ポイントの改善が期待される。他方で、土木事業については繰越案件の中で大きな割合を占める大型JVにおけるサブ工事の利益率改善が課題となっている。そのため、土木事業の売上総利益は前期実績を下回る見通しであり、全体の収益性をやや圧迫する要因になると見込まれる。また、コスト面では人件費が継続的な賃上げの影響により増加基調にあることなどから、全社ベースの営業利益率は同0.2ポイントの低下が見込まれる。
他方で、経常利益については前期を1,196百万円上回る計画となっている。これは主に、同社が出資している特定目的会社(SPC)を通じて手掛けている物流施設の開発事業において、同施設の売却に伴い配当収入が発生し、営業外収益を押し上げる見通しによる。
現時点では、土木事業のサブ工事案件の収益性や人件費の増加などコスト面について課題は残るものの、建築事業では利益率の高い案件への入れ替えが進んでおり、採算性の改善が進んでいる。継続的な事業構造改革の推進により、収益基盤の強化が期待される。
(執筆:フィスコアナリスト 吉林拓馬)
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