セレコーポレーション Research Memo(10):環境負荷物質の低減や「ZEH」化を推進
セレコーポレーションは企業理念「子どもたちのために」を基に、環境、社会、ガバナンスの各観点からESG活動に注力しています。環境面では、ジルコニウム化成処理を導入しスラッジ廃棄物を95%削減。また、「ZEH」化を推進し、単身向け賃貸住宅で「Nearly ZEH M」仕様を採用しています。社会面では、健康経営優良法人として8年連続で認定を受け、社員の心身の健康を重視した施策を実施しています。ガバナンスでは、内部統制委員会やリスクマネジメント体制を整備し、2025年から内部統制専門者を配置予定。女性役員の増員も行い、ダイバーシティ推進を強化しています。株主還元では安定的な配当と業績連動型の方針を採用し、続投の増配を遂げて、株主価値の向上に努めています。
セレコーポレーション<5078>は「子どもたちの 子どもたちの 子どもたちへ」の企業理念に基づき、「持続可能な安定的成長」を経営方針に掲げ、ESGに対して「環境(Environment)」「社会(Social)」「ガバナンス(Governance)」の3つの観点から様々な活動に取り組んでいる。
(1) 環境(Environment)
同社の環境に対する取り組みについて、千葉工場では地球環境への配慮として業界初の「ジルコニウム化成処理」を導入しスラッジ(難溶性のゴミ)廃棄物の発生を従来比で95%削減している。これは金属塗装の前処理として耐食性・密着性能・脱脂性能を持ちながら、環境負荷物質の低減を可能にするものだ。また、温室効果ガス排出対策として国が推奨する「ZEH」化については、単身向け賃貸住宅において「Nearly ZEH M」仕様にいち早く着手した。ZEHとは「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」の略であり、年間の正味エネルギー量をおおむねゼロ以下にした住宅のことであり、同社では地球温暖化防止への社会協力を業界に先駆けて取り組んでいる。さらに、世界一の環境先進都市を目指す東京都の取り組みに賛同し、「東京ゼロエミ住宅」の普及を推進している。「東京ゼロエミ住宅」は、「ZEH」よりも省エネ性能の基準が高く設定されており、政府や東京都が掲げる環境施策に対して今後も積極的に取り組む姿勢が表れていると弊社では見ている。
(2) 社会(Social)
同社の社会に対する取り組みとしては、経済産業省と日本健康会議が共同で実施する「健康経営優良法人認定制度」において、健康経営に取り組む優良な法人として、8年連続(2025年3月)で「健康経営優良法人」の認定を受けた。また、健康企業宣言東京推進協議会が運営と認定をしている「健康企業宣言」においては、7年連続(2024年)で「健康優良企業認定(金の認定)」を受けた。さらに、全社員を対象として、病気が発見された場合に治療をフォローするための医療保障保険を導入するなど、社員の心身の健康向上のため様々な取り組みを行い、ワークライフバランスに配慮し、20時でのパソコンの強制的なシャットダウンや、業務に合わせた時差勤務など、仕事の時間とプライベートの時間のメリハリをつけることを推進し、全社で健康経営に取り組んでいる。同社では、「社員一人ひとりの「しあわせ」の総和が企業価値」を事業目的として宣言しており、常に社員が幸せに働ける環境づくりを追求していることが読み取れる。
(3) ガバナンス(Governance)
同社のガバナンスに対する取り組みとしては、内部統制委員会、リスク・コンプライアンス委員会、内部監査部門が連携する体制を構築している。「内部統制基本方針」を定め、内部統制委員会がその整備・運用状況のモニタリングと検証を行い、毎月の取締役会で報告・確認を行っている。また、「コンプライアンスガイドブック」を社員全員に配布し、研修などを通じて周知を徹底している。さらに、内部通報制度を整備し、匿名通報受付、不利益な取り扱い排除を規程等に明記し実効性を確保している。そのほか、内部監査室及び各事業部門において自社を取り巻く種々のリスクを網羅的に抽出・評価し、対応方針を取りまとめ、未然防止・軽減等に向けた適切なリスク管理を実践している。足元では、内部統制やリスクマネジメントのさらなる強化に向けて、特に現場(カンパニー)内の強化を目的としてカンパニー内に2025年3月より順次、現業部門において専門性の高い人財を「内部統制専担者」として配置している。また、2024年5月30日付で、社外取締役を2名体制から3名体制に増員しており、これにより取締役の約3分の1を確保している。加えて、女性役員2名を新たに選任した。東証プライム市場に上場している企業については、女性役員比率を2030年までに30%以上とすることが課せられているが、同社でも中長期的にはこの数値目標を意識しており、組織のダイバーシティ促進に向けた姿勢がうかがえる。
■株主還元策
配当性向30%を基準に安定的な配当を維持。好調な業績を背景として2期連続の増配
同社は、株主価値の最大化を重要な経営課題として掲げ、利益やキャッシュ・フローの状況、将来の事業展開などを総合的に勘案したうえで、中長期的な成長に向けた投資と1株当たり利益の増大による株主価値の向上を図っている。株主還元については、配当性向30%を基準とした安定的かつ業績連動型の方針を採っており、その姿勢は直近の配当実績にも表れている。2024年2月期には、当初予想の80.0円から105.0円へと増配を実施し、さらに2025年2月期においても、当初予想の105.0円から135.0円へと30.0円の増配となり、2期連続の大幅な増配を実現している。2026年2月期においても、135.0円の配当を予想している。このように、着実な業績拡大を背景とした積極的な利益還元が行われており、株主重視の姿勢が明確に示されていると弊社では見ている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司)
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