船場 Research Memo(6):2025年12月期は、売上高320億円、営業利益21億円と増収増益予想
船場は2025年12月期の通期連結業績予測として、売上高32.0億円、営業利益2.1億円を見込んでいる。顧客関係の強化やアジア市場の深化が売上増加の主な要因である。新中期経営計画では、2027年に売上高40兆円、営業利益25億円を達成することを目指し、重点テーマとして人材育成、サービス領域の拡大、国際市場の開拓、持続的成長のためのサプライチェーン改革を挙げた。また、積極的な成長投資、資本効改善、株主還元を最重要経営目標として掲げ、M&Aの検討にも前向きな姿勢を示している。インバウンド需要増やオフィス需要の拡大が遠近する中、同社の継続的な成長が期待される。
船場<6540>の2025年12月期通期の連結業績は、売上高が前期比10.5%増の32,000百万円、営業利益が同9.5%増の2,100百万円、経常利益が同4.7%増の2,100百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同3.3%減の1,450百万円と、増収及び営業増益を予想する。
同社を取り巻く事業環境では、インバウンドや国内需要の高まりを背景に、引き続き商業領域、インフラ施設、余暇施設などの空間づくりにおける投資が活発化することが見込まれる。加えて、オフィス空間においても人手不足が深刻化するなかで、職場環境改善のニーズが高く、継続した市場成長が期待される。
売上高は堅調な需要を背景に前期比10.5%増を見込む。進行期から新中期経営計画(次章で詳述)がスタートし、5つの重点テーマに沿った取り組みが始まっている。顧客やパートナーとの関係強化により受注拡大を目指す「“Good Ethical Company”のファンベース構築」、これまで上手く価値化できていなかった業務を、明確にサービス化し付加価値提供を行う「サービス領域の拡大と提供価値の向上」、成長性の高いアジア市場における「グローバル市場の深耕」などが増収のポイントとなるだろう。受注残高(2024年12月期末)は6,532百万円であり、目安となる売上げ計画の20%に及んでいる。特に、専門店分野と注力分野(オフィス等)での受注が高い傾向である。営業利益は前期比9.5%の増加、営業利益率で6.6%(前期も6.6%)と好調だった前期と同等の収益率を維持する計画である。弊社では、ディスプレイ業界が活況であること、過去の実績などによりリピート顧客(ファン)が増えていること、過去2年は期末に上方修正しており、同社の売上げ・利益計画はやや保守的であることなどから、業績の上振れも期待できると考えている。
■成長戦略・トピック
新中期経営計画を策定。最終年度となる2027年12月期に売上高400億円、営業利益25億円を目指す
同社では、2025年12月期を初年度、2027年12月期を最終年度とする3ヶ年の新中期経営計画を策定した。前中計では、売上高や営業利益の計画を全年度にわたり達成し、コロナ禍で落ち込んだ業績をV字回復させることに成功した。また、重点施策に関しても、環境対応やDX対応を強化し、変化を加速させることができた。新中計では、前中計での取り組みを踏襲しつつ、さらに発展・強化する内容となっている。
新中計のスローガンは、“Create More Fun and More Fans!”であり、顧客志向をさらに深め、より高付加価値の提供を宣言している。重点テーマには、(1) 「未来を創る人材の育成と獲得」、(2) 「“Good Ethical Company”のファンベース構築」、(3) 「サービス領域の拡大と提供価値の向上」、(4) 「持続的成長を支えるサプライチェーン」、(5) 「グローバル市場の深耕」を掲げた。前中計との比較では、外部環境においてインバウンドの増加やオフィス需要の拡大などが見られ、総じて良化している。一方で人材不足やサプライチェーンの混乱などのリスクは高止まっており、対策の強化がテーマとして盛り込まれた。具体策の一例としては、(1) 「未来を創る人材の育成と獲得」を目的として採用強化と社員が活躍できる環境整備、(2) 「“Good Ethical Company”のファンベース構築」を目的として「Ethical Innovation Hub」を開設、(3) 「サービス領域の拡大と提供価値の向上」を目的としてBIMなどデジタルによる事業プロセスの変革のさらなる強化、(4) 「持続的成長を支えるサプライチェーン」を目的として「サプライチェーン戦略室」の設置、(5) 「グローバル市場の深耕」を目的として各国の事業体制の再構築、などを計画する。
新中期経営計画の数値計画では、最終年度となる3年後の2027年12月期に、売上高で400億円、営業利益で25億円、親会社株主に帰属する当期純利益で17億円を目指す。年平均成長率では、売上高で11.4%、営業利益で9.2%、親会社株主に帰属する当期純利益で4.3%となっており、同社の過去の実績からすれば十分達成可能な目標と言えるだろう。また、中計期間3年間を通じて、健全な財務内容を維持し、配当性向50%以上、ROE10%以上を目指す。財務視点での強化項目としては、1) 積極的な成長投資による企業規模の拡大、利益率の向上及び企業価値向上(人材戦略、DX戦略、海外戦略、M&A戦略)、2) 資本構成の最適化による資本効率の改善、3) 株主への利益還元を最重要経営目標の1つとする基本方針を踏まえた株主還元の実施、が挙げられる。M&Aに関しては、現在多くの案件を検討する体制にあり、機会があれば積極的に実施する方針である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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