ケイファーマ Research Memo(5):2024年12月期は研究開発の期ズレなどで計画比で損失額が縮小
ケイファーマは2024年12月期において、売上高の計上がなく、営業損失836百万円を記録しました。研究開発費や販管費の増加が主な理由でしたが、計画比では206百万円の費用減が見込まれるなど、業績計画と比べて損失が小さくなりました。2025年12月期には売上高計上は見込まれず、営業損失は1,368百万円となる見通しです。研究開発費の増加が予想される一方、4〜5名の人員増員も計画しています。財務状況は、2024年末時点で総資産が960百万円減の2,353百万円となりましたが、手持ちキャッシュとして2年分の資金確保を目指し、新たな資金調達も考えています。今後の成長戦略として、中枢神経領域における新薬開発と再生医療の拡充を目指す方針です。
1. 2024年12月期の業績実績
2024年12月期の業績は、売上高の計上がなく、営業損失で836百万円(前期は366百万円の利益)、経常損失で836百万円(同344百万円の利益)、当期純損失で846百万円(同260百万円の利益)となった。前期はアルフレッサ ファーマから契約一時金1,000百万円を受け取ったことで、創業以来初の黒字となった。しかし、開発ステージであるため、契約一時金などがなければ、研究開発費や販管費が計上されることで、営業損失が発生する。
販管費は前期比292百万円増加の836百万円となり、このうち研究開発費は同196百万円増加の451百万円となった。共同研究開発費やiPS細胞の作製などにかかる外注費が増加要因となった。また、その他の販管費も同96百万円の増加となったが、人員増(前期末比2名増)に伴う人件費の増加やパートナーとの提携に向けた事業開発活動を推進したことが増加要因となった。会社計画比では、研究開発プロジェクトで期ズレがあったことや、販管費の抑制に取り組んだこともあり、206百万円の費用減になっており、営業損失も同額分縮小した。
2025年12月期は企業治験の開始などもあって研究開発費の増加を見込む
2. 2025年12月期の業績見通し
2025年12月期の業績は売上高の計上がなく、営業損失で1,368百万円、経常損失で1,368百万円、当期純損失で1,381百万円となる見通しだ。売上高は海外でのALSやFTD、脊髄損傷などの各開発パイプラインで、国内外の製薬企業などとの提携を目指した事業開発を推進しているが、保守的に計上なしの計画とした。販管費については、主にiPS創薬事業のFTDやハンチントン病の企業治験や再生医療事業の亜急性期脊髄損傷、慢性期脳梗塞の治験準備にかかる研究開発費(CDMO費用など)の増加、並びに人員体制強化に伴う人件費増を主因として、同532百万円の増加を見込んでいる。人員については研究開発、本社管理部門含めて4~5名の増員を見込んでいる。そのほか、新たなモダリティや領域の検討、開発の推進を目的に米国で研究所の設立準備を進めているほか、AI/ロボットなどの先端技術の活用についての検討や、IR広報活動の強化も進める。
手元キャッシュは事業活動費の2年程度を目安とし、状況を見て資金調達も検討
3. 財務状況
2024年12月期末の資産合計は前期末比960百万円減少の2,353百万円となった。事業活動資金の支出により現金及び預金が998百万円減少したことによる。負債合計は同114百万円減少の94百万円となった。未払費用が18百万円増加した一方で、未払法人税等が68百万円減少したことなどによる。また、純資産合計は当期純損失の計上により、同846百万円減の2,258百万円となった。
同社は2023年10月に株式上場し、約15億円の資金調達を行ったが、今後も開発ステージが続くことから、ライセンス契約などによる契約一時金がなければ、研究開発費など事業を進めるうえでの資金を調達する必要が出てくる。同社では手元キャッシュとして2年分程度の資金は確保しておきたい意向であるため、今後状況を見ながら、新たな資金調達を検討するものと思われる。なお、同社は複数の銀行と合計12億円の当座貸越枠を設定しており、機動的に資金調達が行える体制を確保している。
■今後の成長戦略
中枢神経領域を主なターゲットに開発パイプラインを拡充し成長を目指す
今後の成長戦略として、iPS創薬事業では「Rare to Common戦略」を推進する。各神経変性疾患が示す病態については一部共通した疾患メカニズムがあることから、希少疾患の基礎研究を進めるアカデミアとの連携体制を活用することで希少疾患の創薬開発に取り組み、国内から海外へ展開するほか、将来的には患者数の多い疾患、具体的にはアルツハイマー病や加齢性難聴などの創薬開発を目指す戦略である。一方、再生医療事業では、神経中枢疾患領域の再生医療を遺伝子導入などの最先端技術を活用しながら、脊髄損傷から脳疾患に、国内から海外へと展開する戦略である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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