【ヘッドウォータース】過去最高売上高を6年連続更新・今期は積極投資も|2024年12月期通期決算説明(11)
ヘッドウォータースは、AIの最先端技術に全力を注ぎ続けることでしか競争優位を保てないと考えています。業界構造上、大手SIerがオンプレミスシステムに重点を置く中で、ヘッドウォータースはAI技術の実装に特化しています。同社は特に生成AIやRAG技術に注力しており、これまでのノウハウ蓄積が競争力の源になっています。近年では、株価の低迷に対し、ビジネスモデルの明確化と積極的なIR活動で対抗する方針を示しています。また、新規事業の立ち上げにも意欲を持ち、エンジニア主導のプロダクト開発を進めることで、より多様な顧客ニーズを満たそうとしています。
■質問
今、ソフトバンクをはじめとするエンタープライズ企業や、アクセンチュアなどの大手コンサルティングファームが、AI投資やサービス提供に大きな注力をしています。その中で、規模で劣る御社が日本一のAI企業を目指すにあたり、どのような姿勢をもって取り組んでいくのでしょうか。
■ヘッドウォータース篠田
現実的な話からお話させていただきます。AIの最先端テクノロジーの実装において、大手企業と直接コンペになることはありません。これは業界構造の問題なのですが、日本のシステムインテグレーター(SIer)は、オンプレミスのシステム構築で利益を得るビジネスモデルが主流です。例えば、企業向けに「セキュリティのために自社サーバーを立てましょう」という提案をし、1件50億円、100億円規模のプロジェクトを積み上げることで成長してきました。
しかし、このモデルには弊害もあります。SIerの内部では、最も利益を生む分野に優秀な人材をアサインするという構造になっています。つまり、オンプレミスのレガシーシステムを構築する部門に優秀な人材を配置し、クラウドやAIの領域には「一応やっています」と形だけの体制を整えるというケースが多いのです。本気でAIやクラウドに取り組むモチベーションやパッションを持ったチームを作れているSIerはほぼ存在しないのが現状です。そのため、生成AIの活用やRAG(Retrieval-Augmented Generation)技術の精度向上が求められる案件で、大手SIerが「やります」と受けても、実際には「精度が全然上がらない」といった課題に直面することがよくあります。
一方で、当社はこの分野に全勢力、全エネルギー、全パッションを注ぎ込んでいます。例えば、生成AIのRAGの精度が上がらないといった問題を、大手SIerが解決できず、当社が引き取ると一気に精度が向上するというケースが実際に多くあります。この差は、10年以上にわたるノウハウの蓄積によるものです。仮に今、大手企業が資金を投じて「AIの専門家」を採用したとしても、単に頭の良い人材を集めただけでは「AIを実装できる会社」にはなり得ないと思います。こうした業界構造の中で、当社はこれからも最先端のAI事例を作り続けられる自信があります。
我々が大手になった時にどうなるか、というのは色々な可能性があると思いますが、現状はこうした状況になっています。大手SIerは、我々と組もうと考えているケースが増えています。というのも、大手ができないことを我々は実現できるからです。もちろん、クライアントはすでに大手SIerと多くの取引関係を持っています。そのため、当社が大手SIerを駆逐するのではなく、協力しながら新しい価値を提供していくという方向性で、いくつかのプロジェクトが進んでいます。このアプローチで、我々は十分に勝てると確信しています。
■質問
年初より株価は低迷しています。こちらに対する考えと具体的な投資家はどのような点を期待すればいのかご教示ください。
■ヘッドウォータース篠田
まず、当社のビジネスモデルの中身を詳しく見ていただきたいと思います。株価については、当然、全力で上げにかかります。そのために、ビジネスモデルの詳細やIRを積極的に発信していきますし、最終的には業績をしっかり見ていただくことが最も重要だと考えています。この部分は、我々が自力で保証できる部分です。
ただし、株価には外部環境などの影響もあるため、短期間での上昇を確約することはできません。この1〜2か月で必ず株価を上げられるかは保証できませんが、一人の株主としても、経営者としても、全力で狙いにいきます。また、「飛躍」という意味では、時価総額200億円が300億円になることがゴールだとは考えていません。飛躍とは、2年、3年かかるかもしれませんが、最終的に時価総額1000億円を達成するような成長を指します。その成長のスタートとなる1年になるかどうかを見ていただき、もし「これはいける」と思っていただけるなら、ご評価いただければと思います。そして、「この未来は面白い」と感じていただけるなら、ぜひ一緒に歩んでいただけたら嬉しいです。
■質問
過去に、社員が社内で新規事業を立ち上げた実績があると認識しています。生成AIの導入によって、顧客ニーズに対応したSaaSを低コストで開発できるようになりましたが、現在、エンジニアによるプロダクト生成型の事業立ち上げは想定されていないのでしょうか?
■ヘッドウォータース篠田
想定していないわけではありません。実際に、当社から分社化したコンサル系の会社も、もともとは社内で新規事業を立ち上げた社員がいて、その領域の成長性を見込んで分社化したものです。つまり、今後も必要性があり、成長の見込める分野であれば、新しい事業を次々に展開する方針です。私は事業家・経営者として「自発的にパッションを持って事業を立ち上げること」が最も重要だと考えています。モチベーションのない事業を無理に立ち上げても、持続的な成長は難しいため、特にベンチャー企業である当社では、そうした自然発生的な動きを重視しています。
とはいえ、すでに当社にはプロダクト開発部があり、生成AIを活用したプロダクトを開発する取り組みも進んでいます。今後、SaaS的に展開できる技術やプロダクトがあり、それに適切な投資をすればスケールできると判断した場合は、積極的に進めていく方針です。
つまり、必要であればコストをかけ、事業化する準備は常に整えているので、新たなプロダクト事業の立ち上げは、十分に狙っていると思っていただいて良いと思います。
■質問
自動車向きのサービスについて今後の展望についてご協ください。
■ヘッドウォータース篠田
ありがとうございます。これは先ほど申し上げたSLM(Small Language Model)に関する話ですね。小規模な生成AIを活用した車の制御や快適なやり取りといった領域が中心になってくると思います。この分野において、エッジ側のAI、特に生成AIを組み込む技術は、当社の大きな強みです。他社ではなかなか実現できない領域であり、最先端を走る当社だからこそ提供できる価値があります。現在、すでに自動車メーカーに向けてこの技術の提供を開始しており、今後さらにこの分野を拡大していく方針です。
【ヘッドウォータース】過去最高売上高を6年連続更新・今期は積極投資も|2024年12月期通期決算説明(12)続く
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