品川リフラ Research Memo(7):セグメント別では断熱材、先端機材セクターが順調に推移
品川リフラクトリーズ株式会社の2025年3月期第2四半期の業績では、営業利益が前年同期比で630百万円減少しました。耐火物セクターの減収が主因で、これは国内外の粗鋼生産量減少によるものです。一方、先端機材セクターは増益を記録し、2024年3月の買収が貢献しました。エンジニアリングセクターでも利益増が見られました。財務的には、総資産が増加し、純資産も配当や中間純利益の影響で増加しました。自社の健全性は維持されており、キャッシュフローも投資活動や財務活動を通じてプラスを記録しています。また、子会社化したGoudaの買収資金に関連して一時的に有利子負債が増加しましたが、長期的に健全性を維持する計画です。
2. 事業セグメント別動向
2025年3月期第2四半期の営業利益は前年同期比630百万円の減少となった。セグメント別では、耐火物セクターが692百万円減少し全体の利益を押し下げた。その他断熱材セクターが9百万円、その他が9百万円それぞれ減益となったが、先端機材セクターが0百万円、エンジニアリングセクターが88百万円それぞれ増益となった。
(1) 耐火物セクター
耐火物セクターの売上高は、国内外の粗鋼生産量の減少による耐火物販売数量減少により前年同期比9.8%減の45,390百万円となった。国内の売上高(調整額控除後)は同8.3%減の30,356百万円、海外の売上高(同左)は同12.7%減の14,982百万円となった。セグメント利益は主に国内外での販売数量の減少や海外のグループ会社SRA(オーストラリア)、SRB(ブラジル)の収益悪化により同16.1%減の3,594百万円となった。売上高利益率は7.9%と同0.6ポイント低下した。セグメント利益は35億円と前年同期を7億円下回るが、増減要因のうち減少要因は、国内高炉休止及び販売数量減(15億円減)、為替(1億円減)、労務費(2億円のコストアップ)、国内グループ会社(1億円減)、海外グループ会社(4億円減)で計23億円減となる。海外グループ会社はSRAで3億円減、SRBで1億円減となった。増加要因は、販価・原料、販売構成改善によるスプレッド向上(6億円増)、省力化投資などによるコストダウン(7億円増)、その他(3億円増)で計16億円増となった。EBITDAは同13.3%減の47億円、EBITDAマージンは同0.5ポイント低下の10.5%となった。
(2) 断熱材セクター
断熱材セクターにおいては、主に国内の耐火断熱れんがの販売が増加し売上高は前年同期比3.6%増の9,296百万円となった。利益率の高いセラミックファイバー関連製品の販売が工業炉などの端境期に当たり減少したほか、半導体関連製品の国内需要が減少し、セグメント利益は同0.5%減の1,650百万円となった。売上高利益率は同0.7ポイント低下し17.7%となった。EBITDAは同0.5%増の20億円、EBITDAマージンは同0.7ポイント低下の21.8%となった。
(3) 先端機材セクター
先端機材セクターにおいては、2024年3月に買収したコムイノベーションの業績が寄与し、売上高は前年同期比20.4%増の2,161百万円、セグメント利益は同0.1%増の127百万円と前年同期並みとなった。ファインセラミックス事業は、国内の半導体製造装置向けの国内需要が回復基調にあり、業績は前年同期のほぼ同水準まで回復してきているようだ。売上高利益率は同1.2ポイント低下し5.9%となった。EBITDAは同18.9%増の2億円、EBITDAマージンは同0.1ポイント低下し11.2%となった。
(4) エンジニアリングセクター
エンジニアリングセクターにおいては、人件費の上昇を工事契約単価に適正に反映しつつも、顧客の生産活動低下に伴い各所工事案件は減少し、売上高は前年同期比0.6%減の11,738百万円となった一方、収益性の高い工事案件の比率が上昇しセグメント利益は同14.4%増の697百万円となった。売上高利益率は同0.8ポイント上昇の5.9%となった。EBITDAは同11.4%増の7億円、EBITDAマージンは同0.7ポイント上昇し6.7%となった。
(5) その他
その他事業の売上高は、前年同期とほぼ変わらずの453百万円、セグメント利益は前年同期比3.3%減の269百万円、売上高利益率は同2.0ポイント低下の59.4%であった。
3. 財務状況と経営指標
2025年3月期第2四半期末の総資産は、2024年3月期末比3,183百万円増加し158,320百万円となった。2024年9月より営業運転を開始した赤穂工場の不定形耐火物最新鋭プラントなど有形固定資産が同2,254百万円増加したほか、のれんなど無形固定資産が同1,516百万円増加した。一方、純資産は同5,343百万円増加し92,310百万円となった。配当を1,762百万円支払ったほか、親会社株主に帰属する中間純利益4,910百万円の計上などにより利益剰余金が3,271百万円増加したほか、有価証券評価差額金が530百万円減少、為替換算調整勘定が1,396百万円増加、非支配株主持分が1,123百万円増加した。その結果、自己資本比率は55.4%と2024年3月期末より1.6ポイント上回り健全性を維持している。
2025年3月期第2四半期は、税金など調整前中間純利益7,355百万円に加えて、売掛債権の減少などにより必要運転資金が3,818百万円減少したため、法人税などを4,636百万円支払った上で営業活動のキャッシュ・フローは5,268百万円の収入となった。投資活動のキャッシュ・フローは、赤穂工場の不定形耐火物最新鋭プラントなどの有形固定資産の取得などで4,565百万円の支出となり、財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払1,762百万円、長短借入金のネット借入2,973百万円などにより1,164百万円の収入となった。その結果、現金及び現金同等物は7,713百万円増加し残高は23,649百万(預入期間3ヶ月以上の定期預金を除く)と、第6次中期経営計画に掲げる設備・事業への成長投資に必要な資金を留保している。なお、2024年10月に子会社化したGoudaの買収資金については、M&A投資額237億円にGoudaによる既存借入の返済相当額も含めて、164.3百万ユーロ(借入日2024年10月24日の為替レート164.699円/ユーロで換算すると270.6億円)を借り入れた。有利子負債(借入金のみ)は2024年9月末残高307億円を加算すると約577億円と一時的に膨らむが、現預金・有価証券を控除したネット有利子負債は340億円程度となり、2025年3月期に見込まれるEBITDA170億円の2倍程度と財務の健全性は維持できる見込みだ。この借入金は、2025年6月30日の満期日までに、現預金水準とフリーキャッシュ・フローを勘案しながら中長期の資金に借り換えていく計画だ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 松本章弘)
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