シード Research Memo(6):大規模設備投資の影響もあり増収減益。生産力の増強による売上拡大を見込む(2)
シードは新しい生産設備の導入や革新技術の開発により、将来の成長を目指している。同社の鴻巣研究所では生産力を増強し、2024年には生産能力を6,500万枚に拡大、2027年までには7,900万枚に引き上げる予定だ。また、Beyond 5G(6G)技術を活かしたARホログラフィックコンタクトレンズ開発プロジェクトに採択されており、2024年度から2026年度に実施される。この技術開発により、グローバル市場での競争力向上が期待される。さらに、オルソケラトロジーレンズも日本や海外市場で販売されており、高い国内マーケットシェアを維持している。財務状況では、資産の増加に伴い負債が増加するも、自己資本比率は健全な水準を維持している。
2. トピックス
(1) 鴻巣研究所生産力の増強
同社では、鴻巣研究所の生産力を増強する計画を進めており、直近では2号棟別館が2024年4月30日に竣工し、2024年6月から順次稼働している。この計画により、従前の最大生産能力である月間5,800万枚(開発用ライン含む使い捨てコンタクトレンズ相当生産数)の使い捨てコンタクトレンズ相当の生産枚数を、6,500万枚に引き上げることを達成している。その後、2027年3月期までに本格稼働を予定している4号棟第一期の生産設備が稼働すれば、生産能力はさらに月間7,900万枚にまで増加する予定である。この生産力の増強は、同社の今後の成長戦略において重要な要素であり、需要増加に対応するための設備投資が計画的に進行していることが示されている。
(2) 革新的情報通信技術(Beyond 5G(6G))のNICT事業に採択
同社は、東京農工大学、徳島大学、早稲田大学、シチズンファインデバイス(株)と共同で、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)の「革新的情報通信技術(Beyond 5G(6G))」に関する基金事業に採択された。本事業では、Beyond 5G及び6G技術を最大限に活用し、人々の生活に溶け込むAR技術の実現を目指している。具体的には、「ホログラフィックコンタクトレンズディスプレイを実現する革新的基盤技術の開発」をテーマとしており、目に直接装着可能なコンタクトレンズディスプレイの実現を目標に掲げている。この研究開発プロジェクトは、2024年度から2026年度までの3年間にわたり実施され、同社と各大学・企業が共同で取り組む予定である。AR技術を活用したホログラフィックディスプレイの実現は、未来の情報通信技術における重要な要素であり、同社がこの分野において先進的な技術を開発することで、グローバル市場における競争力をさらに強化することが期待される。
(3) オルソケラトロジーレンズ
オルソケラトロジーレンズは、夜間にレンズを装用することで角膜の形状を変化させ、日中にレンズを外しても裸眼で過ごすことができる治療法である。この治療法は、視力矯正の非手術的な選択肢として認知が進んでおり、同社では日本をはじめ、東南アジア、香港、インド、そしてヨーロッパにおいて販売されている。ヨーロッパ市場では連結子会社であるWohlk Contactlinsen GmbHの製品を販売しており、視力矯正市場における存在感を高めている。同社のオルソケラトロジーレンズにおける国内マーケットシェアは50%以上を占めており、ユーザーのニーズに応じた柔軟な視力矯正を提供することで、今後も更なる拡大が期待される。
3. 財務状況
2025年3月期第2四半期末累計の資産合計は、前期末比1,983百万円増の51,558百万円となった。流動資産では、同1,455百万円減の20,866百万円となった。主な要因としては、現金及び預金が1,696百万円、商品及び製品が127百万円減少した。固定資産では、同3,439百万円増の30,691百万円となった。主な要因としては、新本社ビルや鴻巣研究所2号棟別館の竣工、また鴻巣研究所2号棟別館への新規設備の導入により、有形固定資産が3,485百万円増加した。また、負債合計は同1,748百万円増の33,672百万円となった。流動負債では、同1,602百万円減の17,964百万円となった。主な要因としては、支払手形及び買掛金が52百万円、短期リース債務が175百万円増加した一方で、短期借入金が1,234百万円減少した。固定負債では、同3,350百万円増の15,708百万円となった。主な要因としては、長期借入金が2,205百万円、長期リース債務が1,070百万円増加した。純資産合計は同234百万円増の17,885百万円となった。主な要因としては、利益剰余金が94百万円増加した。自己資本比率は同0.9pp下落の34.1%と、短期的な懸念事項はないものと弊社では見ている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司)
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