ヨシムラ・フード・ホールディングス:後継者不在の中小食品企業をM&Aで支援、ESG経営で持続的に成長
ヨシムラ・フード・ホールディングスは、中小食品企業のM&Aを通じて、後継者不在などの課題を解決し、持続可能な成長を目指す。国内外での販売や製造を手がける企業をグループ化し、経営管理や生産・販売のサポートを行うことにより、各社の強みを共有し、弱みを補完する「中小企業支援プラットフォーム」を構築している。2025年上期には売上高28,738百万円、営業利益2,003百万円と好調な業績を示しており、今後も積極的にM&Aを進め、ESGに基づく経営を強化する計画である。特に、コミュニケーション能力や価値観の一致が買収のポイントとされ、海外へのマーケット拡大も視野に入れる。
同社は、優れた商品や技術力を有しながらも、事業承継など様々な問題を抱えている全国の中小食品企業をM&Aによってグループ化し、グループ全社の経営戦略の立案・実行および経営管理をおこなうとともに、グループ会社に対し、セールス・マーケティング、生産管理、購買・物流、商品開発、品質管理、経営管理といった機能ごとに支援および統括をおこなっている。グループ全体で各グループ会社の優れた商品や技術、販路や製造ノウハウといった「強み」を共有し、人材・資金・販路不足といった「弱み」を補完する仕組みである「中小企業支援プラットフォーム」により、課題を解決し各社の業容拡大を支援している。
主要な事業セグメントは、「製造事業セグメント」と「販売事業セグメント」の2つ。
「製造事業セグメント」は、国内企業は主に卸売業者を通じて日本全国のスーパーマーケット、コンビニエンスストア、ドラッグストア、飲食店等へ販売し、ホタテを中心とした海産物については、主に輸出企業などへ販売をしている。海外企業は主にシンガポールおよびマレーシアのホテル、飲食店、スーパーマーケット等へ販売している。2024年2月末現在、グループ会社は25社。
「販売事業セグメント」は、国内企業は主に産業給食事業者、生活協同組合等へ、海外企業は主にスーパーマーケット、ホテル、飲食店等へ販売をおこなっている。2024年2月末時点、グループ会社は4社。
2025年2月期第2四半期累計の売上高は前期比24.5%増の28,738百万円、営業利益は同2.2倍の2,003百万円の大幅増収増益で着地した。製造事業セグメント・販売事業セグメント共に増収を継続、既存企業のオーガニックな成長に加えてワイエスフーズグループの損益取り込みをしたことが寄与したようだ。また、マルキチが中国の輸入停止による影響を受けたが、販売単価が徐々に回復して増益となった。海外事業も、シンガポール、マレーシアにおける観光需要の回復、マルキチ、ワイエスフーズのホタテの拡販が奏功したことで増加している。通期の売上高は前期比16.9%増の58,215百万円、営業利益は同14.7%増の2,744百万円を見込んでいる。
後継者不在の中小食品企業を譲り受け、グループ化して活性化する同社の事業はESG経営そのものであり、ESG経営をより強化することで持続的な成長を実現している。M&A仲介会社や金融機関などから多数のM&A案件の紹介を受けており、グループ化により大幅なメリットが見込める業界におけるロールアップや、商品力があり利益率の高い企業のグループ化など、戦略的なM&Aに向けた検討を進めている。2024年2月期には約400件の紹介受けていたようで、2025年2月期上期時点で既に約250件の紹介を受けている。また、直近はグループ会社経由での案件獲得や自社で直接案件を獲得するケースも増えており、今後は自社経由の案件獲得も増加させていく意向である。
同社の「中小企業支援プラットフォーム」は、グループ会社を機能別に統括することで相互補完・相互成長を図る仕組みとなっている。会社の壁を越えて機能ごとに横断的組織を構築しており、各社の持つ強みをグループ全体で共有し弱みを補い合っている。こうした背景から、買収対象は業績や商品力も大事だが一番はコミュニケーションがしっかりとれて価値観があうことに重きを置いている。また、海外企業の買収も積極的に検討しており、海外への販路を活かして国内の食品マーケットを活性化させることが狙いとなっている。業績についても、今後のM&Aの進捗次第だが、買収後のPMIも順調に進みトップライン15%成長を続けて好調を維持している。総じて、今後も後継者不在の中小食品企業が増加していく可能性がある中、同社のようにESG経営で、グループ全体で成長を図っている企業は引き続き注目していきたい。
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