GセブンHD Research Memo(8):中期経営計画の最終年度目標は売上高2,300億円、経常利益86億円へ修正
G-7ホールディングスは2026年3月期を最終年度とする中期経営計画を推進中で、当初目標を売上高2,500億円、経常利益100億円としていましたが、進捗が遅れたため2025年3月期までの現実的な目標を売上高2,300億円、経常利益86億円に修正しました。この調整の背景には、物価上昇による出店コストの増加や経費の増大、巣ごもり需要の減退、原材料費の高騰が挙げられます。同社はこれらを乗り越えるためにM&A戦略を強化し、目標の早期達成を図る方針です。また、人材の採用・育成に注力し、多様な事業分野で成長を図る一方、中長期目標としてROEの維持・上昇と自己資本比率40%台を掲げています。今後の具体的な戦略には出店の加速や業務スーパー事業の生産性向上が含まれています。
2. 中期経営計画の進捗状況
(1) 中期経営計画の概要と進捗状況
同社は創業50周年となる2026年3月期を最終年度とした5ヶ年の中期経営計画を2022年3月期より推進している。業績目標として2026年3月期に売上高2,500億円、経常利益100億円を掲げていたが、2025年3月期までの業績の進捗状況が想定を下回ったことから、直近の会社計画では売上高2,300億円、経常利益86億円と現実的な数値へ修正した。想定を下振れた要因としては、物価上昇に伴う出店コストや光熱費の上昇に伴い新規出店ペースが鈍化したこと、また巣ごもり需要の一巡によるミニスーパー事業の低迷や原材料高に起因する精肉事業の低迷などが挙げられる。ただ、同社は当初目標値について、M&A戦略も推進しながら早期達成を目指すとしている。
また、2024年10月30日付で発表した「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応について」のなかで、新たにROEや資本政策に関する目標も追加した。ROEについては2024年3月期(18.3%)の水準の維持・上昇を目指し、自己資本比率は40%台を目安としている。
同社は中期経営計画のなかで成長実現のため、以下の10項目を重点テーマとして掲げている。
1) 事業会社各社で毎期増収増益、過去最高に挑戦する
2) 事業会社各社で黒字必達とする
3) 赤字総店舗数及び赤字総額0に挑戦する
4) 生産性指標となる従業員1人当たりの売上高、粗利額の2項目ともに前期比アップを目指す
5) 売上伸長率を上回る利益伸長率アップに挑戦する
6) 投資効率の良い新規事業、新業態の開発に挑戦する
7) 投資効率の良い新店を毎期50~70店舗出店に挑戦する(店舗数は2021年3月期末の586店舗から2026年3月期に1,000店舗へ、G-7モール含む)
8) M&A、資本業務提携の推進に取り組む
9) 採用を強化し人材育成、人材教育に全力で取り組む(パートを含む従業員数は2021年3月期末の7,746人から2026年3月期に14,000人へ)
10) ESG及びSDGsへの取り組みを推進する
このうち、2) については2025年3月期においてG-7リコス・ストアズやマレーシア子会社、G-7バイクワールドが赤字となったが、2026年3月期に黒字化できる可能性はあると同社では見ている。3) については、2025年3月期末時点で全店舗(開店4年目以降の店舗550店舗)のうち約25%が赤字となっており、改善が遅れ気味となっている。今後、店舗運営の生産性や在庫回転率の向上、商品戦略の見直しに取り組み、赤字店舗の削減を進める。4) の生産性指標については、従業員1人当たり※売上高及び売上総利益を見ると、2023年3月期は売上高23.8百万円、売上総利益5.8百万円、2024年3月期は売上高25.3百万円、売上総利益6.0百万円、2025年3月期は売上高25.4百万円、売上総利益6.2百万円と、売上高・売上総利益ともに増加傾向となっている。業務スーパー事業の成長によるところが大きいが、今後もすべての事業において前期比アップを目指す。
※ 従業員数は正社員数(前期末と当期末の平均値)+平均臨時雇用者数で算出。
6) の投資効率の良い新規事業、新業態の開発については2025年3月期にアウトレット事業を開始したほか、M&Aで時計・ペット用品のEC事業を獲得するなど、将来の成長に向けた種まきを行った。7) の出店計画については、物価上昇により出店コストの上昇により、2022年3月期34店舗、2023年3月期27店舗、2024年3月期24店舗、2025年3月期44店舗(M&A取得店舗含む)となり、目標の毎期50~70店舗の出店ペースには届かず、目標の1,000店舗達成時期は次期中期経営計画に先送りとなりそうだ。
9) の人材採用・教育については、企業の成長の源泉が「人材」にあると考えており、引き続き強化を進めている。2025年4月の新卒社員数はグループで79名(前年104名)の採用を実施した。人材育成の取り組みに関しては、若手幹部社員の育成・登用のための定期研修の継続に加えて、個々の社員のスキルアップ並びにモチベーションアップにつながる人事考課の見直しも進めている。
(2) 事業別収益目標
主力事業の収益目標(事業会社の目標)は、業務スーパー事業で売上高1,000億円、経常利益45億円(2021年3月期比売上高1.19倍、経常利益1.13倍)、オートバックス事業で売上高500億円、経常利益25億円(同売上高1.57倍、経常利益1.20倍)、精肉事業で売上高350億円、経常利益12億円(同売上高1.91倍、経常利益1.28倍)を設定している。
このうち業務スーパー事業は、2024年3月期に2年前倒しで目標を達成しており、2026年3月期も過去最高業績を更新する見通しだ。出店戦略については、関東や中部、九州を中心に出店を加速するほか、既存店のリニューアルによる生産性向上にも取り組む。
一方、オートバックス事業は未達となる可能性が高いが、車検等のサービス売上構成比の引き上げによる既存店売上高の増加と収益性向上を図るとともに、カーライフというカテゴリーでM&Aも含めて周辺事業に領域を拡大することで成長を目指す。
精肉事業もオートバックス事業と同様にハードルが高くなっている。売上高は集客力の高い「業務スーパー」との同時出店だけでなく単独出店も行うなど積極出店を継続する。また、輸入肉仕入コストの高騰を生産性向上でカバーし、収益回復を目指す。
ミニスーパー事業は目標達成のハードルは高く、当面は既存店舗の黒字化を最優先課題に取り組み、黒字化の目途が立った段階で成長戦略を打ち出す。社会様式の変化とともに増加する個食化ニーズの取り込みに加え、生産性向上が黒字化達成のカギを握ると見られる。
そのほかバイクワールド事業、こだわり食品・PB事業、アグリ事業(めぐみの郷)、海外事業はそれぞれ売上高100億円、経常利益で2~3億円の規模を目標としている(アグリ事業については流通額ベース)。また、カーブス事業や店舗内装事業(主に業務スーパー店舗の施工)については、売上高で各20億円を目標としている。当初の目標に対して乖離が生じている事業もあるが、基本的にはすべての事業を拡大するとともに、M&Aも積極的に推進しながら中長期的な成長を目指す。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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