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ティムス:25年2月期第2四半期決算説明会文字起こしVol.1


株式会社ティムスの2025年2月期第2四半期決算説明会で、代表取締役社長の若林拓朗氏がTMS-007、TMS-008、TMS-010などの進捗状況を発表しました。TMS-007はグローバル試験の準備を進めており、TMS-008はフェーズ1試験を開始。新たに導入したTMS-010は脊髄損傷の治療薬候補として期待されています。業績は4億7,700万円の純損失を計上しましたが、新規プロジェクトに向けた積極的な投資も報告されました。また、CORXELに社名変更するJIXING社との協力関係も強調されています。

*17:00JST ティムス:25年2月期第2四半期決算説明会文字起こしVol.1 目次
■出演者
■決算説明
■質疑応答


出演者
株式会社ティムス<4891> 代表取締役社長 若林 拓朗様
司会者


■決算説明
●司会者
ただ今より株式会社ティムス<4891>2025年2月期第2四半期決算説明会を開催いたします。よろしくお願いいたします。

■ティムス 若林
ご紹介いただきました株式会社ティムス代表取締役社長若林です。本日は、大変お忙しい中、 当社の決算説明会にご参加いただき誠にありがとうございます。 2025年2月期第2四半期の決算説明をさせていただきます。企業理念になります。

最初にハイライトをご説明させていただき、業績概要、パイプラインの説明へと移ってまいります。

ハイライトは3点ございます。

まずは、「TMS-007(JX10)」の進捗状況です。今年の1月にJIXING社がBiogen社からTMS-007の権利を獲得し、現在までJIXING社が主体となりグローバル臨床試験の準備を着実に進行中です。当社としては、こちらの臨床試験はピボタル試験、つまり、この臨床試験のデータを根拠に承認申請をする可能性を持った試験として設計が進んでいると理解しています。当社はTMS-007の日本における開発、販売権を有していますが、当社もこのグローバル試験に日本のパートナーとして参加する方向で準備を進めております。グローバル試験の内容については、2025年の3月までにはJIXING社からの正式発表があると想定していますが、それまでに当社独自で発表可能な内容が生じた場合には、必要に応じて発表することを考えております。

少し先の話になりますが、これは日本とアメリカの開示姿勢に違いがあり、日本よりもアメリカの開示頻度は高くありません。それを考えると、JIXING社からの正式発表は2025年3月までのいずれかの時期だろうと考えておりますが、当社としては、それまでに発表できる内容があるのではないかと考えております。いずれにしても、現時点で明言はできませんが、発表ができる状況になったら随時発表していきたいと考えております。
現在JIXING社の正式名称は「Jixing Pharmaceuticals」ですが、11月から「CORXEL」に社名変更する予定です。既に同社のウェブサイトで名称が変更されていると問い合わせをいただいてますが、JIXING社から、正式な社名変更は11月の予定であると伺っております。CORXELは、「COR」はラテン語で「心臓」を意味するということで、「心臓」と、「卓越している・素晴らしい」という「EXEL」という言葉を組み合わせて社名にしたと聞いております。

2番目は、「TMS-008」のフェーズ1臨床試験の投与を開始いたしました。 前期2024年2月末に治験届を提出し、今年の6月に東京大学医学部の附属病院で第1例目の投与を開始いたしました。現在は、順調に臨床試験が進行中でございます。こちらの臨床試験は、TMS-007に続いて、当社が手掛けた2件目のFIH(First-In-Human)の試験となります。健常人を対象とした、5つのコホートからなる用量漸増試験となり、安全性・PK・TKを見る試験でございます。

3番目は、脊髄損傷を対象とした新規治療薬候補を今年の7月に北海道大学から導入いたしました。2022年の4月に北海道大学との間でオプション契約を締結し、約2年間独占的に評価を進めてきたプロジェクトで、ライセンス契約を締結して正式に導入いたしました。コードネームは「TMS-010」としてパイプラインに追加した次第でございます。

以上がハイライトの内容となります。

直近12カ月間の成果とマイルストーンというのをまとめた表です。上からTMS-007、JX09、TMS-008、及び新規シーズ探索で、TMS-007は次の臨床試験の準備をしているところでございます。 JX09は、今年の1月に開発・販売の権利を取得し、現在、JIXING社がオーストラリアでフェーズ1の臨床試験を実施中です。TMS-008は、フェーズ1臨床試験の最初の被験者への投与が終わり、今期末(2025年2月末)までの間に全てのコホートへの投与を完了して、来期の第1四半期、(2025年3月〜5月)の間にトップライン・リザルトとして、安全性、忍容性、薬物動態等のデータを発表できると考えております。新規シーズ探索は、いろいろなシーズを評価していますが、導入実績としてはTMS-010を導入いたしました。


第2四半期の業績概要です。 累計期間の営業損失は4億5,200万円、純損失は4億7,700万円で、前年同期よりも約30%〜40%程度の損失増加となります。こちらは、TMS-008のフェーズ1臨床試験を開始した費用、それにかかる費用のほか、TMS-010の導入費用、導入検討費用等の要因が大きいと考えています。固定資産の減損損失で2,500万円計上していますが、何かが起きたというよりも当社の計上状態として、固定資産はその都度減損損失を計上していくという状態が続いていくと考えています。ここまでの純損失の合計が4億7,700万円で、期初において想定した費用のレンジが10億5,000万円から15億円なので、レンジの半分の下限近辺で推移しております。

キャッシュフローは、営業活動による キャッシュフロー、投資活動によるキャッシュフローを合わせて4億3,700万円の現金及び現金同等物の減少がありました。 この結果、期末残高は約30億円の手元現金となりました。

BSですが、こちらもほぼ現金イコール総資産の状況となっております。

続きまして、パイプラインの説明です。臨床パイプラインが前期までは1つだったのが、今期から3つに増えました。

まず、TMS-007(JX10)は、当社が実施したフェーズ2a臨床試験において、有効性、安全性ともに優れた結果を達成しています。特に、レジストレーショナルエンドポイントの可能性が高いmRSスコア 0から1という指標において、プラセボ群と比較して統計的に有意な差を達成しました。現在、JIXING社の主導により次の臨床試験の準備を行っております。当社は、日本での開発・販売権と、日本以外のグローバルベースにおけるマイルストーン及びロイヤリティを受領する権利を保有しております。

JX09は現在、JIXING社の方でフェーズ1臨床試験が進行中です。当社は日本での開発、販売権を保有してます

TMS-008は、急性腎障害を対象として開発を進めておりますが、当社はグローバルの開発、販売権を保有している状況でございます。

パイプライン表です。TMS-010、脊髄損傷が新たに加わっております。現在、フェーズ1の実施に向けて準備を開始したところでございます。



TMS-010については、新しいパイプラインなので最初に説明いたします。
あまり詳細は開示できないことを、ご容赦いただければと思います。まず、脊髄損傷という疾患ですが、脊椎が背中に走っており、この脊椎が折れたりあるいは大きくずれたりすると、脊椎の中に入っている脊髄、神経の束が損傷を受けて、運動麻痺、感覚麻痺、排尿排便障害等のさまざまな障害が発生します。 損傷を受けた脊髄の部位によっても色々と障害が違い、例えば頸椎と言われる首の辺りの脊髄に障害を受けると手足の麻痺が起き、胸椎だと上半身は動くけども足が動かないなど、部位によって損傷が違ってくる特徴があります。

脊髄損傷は、まず脊髄が損傷を受けて神経細胞がダメージを受けます。神経細胞は非常に長い構造を持っていますが、それが切れたりするとその部位については神経が信号を伝達できなくなります。そういった一時的、物理的な損傷だけではなく、その後約2週間の間にその周辺の部位が炎症を起こすことで2次損傷が起きると、これによってさらに症状が拡大すると考えられております。当社のTMS-010はこの2次損傷を抑制する効果を持っていると考えております。

患者数は日本で年間約5,000人、全世界で18万人と考えられております。承認された治療薬がないということにおいては、当社が手掛けている急性腎障害と同じく、大きなアンメット・メディカル・ニーズがあると考えております。現在、ガイドライン上では、標準治療としてステロイドパルス療法が認められておりますが、必ずしも十分な治療効果が得られていないと言われております。
右側のグラフの、脊髄損傷の原因は交通事故と高所転落で大体7割程度を占めています。円グラフの中の数字が平均年齢で、交通事故の場合は44歳、高所転落の場合は52歳と、比較的若い年齢で発生しており、その後、後遺症が残る場合も想定されます。

まだ臨床入り前ということもあり、示せるデータは非常に限られております。かなりの実験を行ってきたのですが、ここに示しているのは動物モデルで、首の辺りの脊髄を損傷させたモデルの結果です。損傷前は、当然コントロール群(プラセボ)も歩行可能最大速度は同じですが、損傷後においては、投与した後の歩行可能最大速度は、TMS-010投与群で統計的有意差を持って上回っている結果が得られました。このような実験を積み重ねた結果、導入の判断に至りました。またこちらの実験は、病理組織学的にも改善効果が確認されております。

ティムス:25年2月期第2四半期決算説明会文字起こしVol.2に続く

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