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サンワテクノス Research Memo(2):2024年3月期は減収減益となるも前期に次ぐ過去2番目の業績に


*13:42JST サンワテクノス Research Memo(2):2024年3月期は減収減益となるも前期に次ぐ過去2番目の業績に ■業績動向

1. 2024年3月期の業績概要
サンワテクノス<8137>の2024年3月期の連結業績は、売上高で前期比8.2%減の166,138百万円、営業利益で同18.5%減の6,215百万円、経常利益で同13.6%減の6,631百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同8.9%減の5,007百万円と減収減益に転じたものの、会社計画(2024年1月修正発表値)に対してはいずれも上回って着地し、前期に次ぐ過去2番目の業績を達成した。

製造業全般において前期まで続いた部材の先行手配が一巡したことに加えて、景気減速による設備投資マインドの冷え込みもあって、客先の在庫調整が長引いたことが主因だ。このため、受注高は同27.8%減の136,895百万円と3期前の水準まで落ち込み、期末受注残高も前期末比35.8%減の52,364百万円となった。四半期ベースの動向を見ると、受注高は2023年3月期第1四半期の55,127百万円をピークに減少傾向となり、2024年3月期第4四半期は30,102百万円まで落ち込んだが、前四半期比では2.6%減と小幅な減少に留まり、同社ではほぼ下げ止まったと見ているようだ。受注残高についても2023年3月期第3四半期末の92,440百万円をピークに2024年3月期末は52,364百万円と6割弱の水準まで減少した。ただ、こちらは3年前の水準と比較すると1.9倍程度多い水準となっている。受注残高については新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)前までは売上高の2ヶ月分程度の水準で推移していたが、直近はまだ4ヶ月分を抱えていることになり、もうしばらくは受注残高を取り崩す局面が続くものと予想される。ただ、コロナ禍以降は客先で適正在庫水準や発注方針を見直す動きにもなっていることから、受注残高は売上高の2ヶ月分よりもう少し高い水準で落ち着く可能性もある。

2024年3月期の営業利益増減要因について見ると、売上総利益率の改善で176百万円、為替レートの変動で177百万円※、販管費の減少で48百万円の増益要因となったが、売上高の減少で1,816百万円の減益要因となり、前期比で1,415百万円の減益となった。営業外収支は為替差損益の改善(+362百万円)を主因として、前期比371百万円のプラスとなった。また、特別利益として投資有価証券売却益を701百万円計上した。同社は資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた施策の1つとして、2024年3月期より政策保有株式を段階的に売却する方針を打ち出しており、その一環となる。売却した資金については、成長投資のほか株主還元に充当することにしており、2025年3月期以降も投資有価証券の売却を進める意向である。

※期中平均為替レートは140.56円/米ドルと前期の131.43円/米ドルから約9円/米ドルの円安となり、国内事業会社で208百万円の増益要因となった。一方、海外事業会社は仕入販売取引で121百万円の減益要因となったが、期末為替レートが前期末から円安となったことによる期末換算レート差による増益効果90百万円があった。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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