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サクシード Research Memo(11):成長に向けてシナジーが見込めればM&Aも積極的に検討


*14:01JST サクシード Research Memo(11):成長に向けてシナジーが見込めればM&Aも積極的に検討 ■成長戦略

1. 成長戦略
サクシード<9256>の事業すべてが、教育という日本を支える国策のど真ん中にある、時宜を得た成長事業である。したがって今後、「教育と福祉の社会課題を解決し、より良い未来を創造する」という企業ミッションを積極的に遂行していくことで、短期的な変動はあっても、中長期的に成長を持続できると考えられる。同社では成長を実現するため、現在、事業間の人材共有、自社内マーケティングチーム、きめ細かなマッチングという強みを生かし、(1) 個別指導教室の出店加速、(2) オンライン型家庭教師の生徒数増加、(3) 学校・自治体向け人材サービスの拡大といった成長戦略を推進している。対面型家庭教師サービスで広告戦略や内部体制を見直す一方、個別指導教室や家庭教師の展開エリアを拡大し、人材サービスで公民連携事業に積極的に参加することで、教育関連サービスにおけるオンリーワンのポジションを獲得する方針である。なお、成長に向けてシナジーが見込める場合には、M&Aも積極的に検討していく。その場合、同社の人材データベースを生かせる、インターン紹介や新卒学生の就職支援などの人材ビジネスの領域において強いシナジーが発揮されると思われる。


各事業の戦略に沿ってバランス良く成長
2. 事業別の中期成長イメージ
このような成長戦略の着実な実行により、教育サービスも人材サービスも、中長期的に社会のニーズに応えながら、バランス良く成長を続けると予想される。

教育人材支援事業と福祉人材支援事業では、公民連携事業に積極的に参加していくことで受託案件数を年間20%増加させるとしている。受託案件数を増やすことで、受注・失注による売上高の振れ幅を抑え、安定した成長を目指す方針だ。全国の案件に参加できるよう入札参加者登録を進めるとともに、入札情報の収集を強化、入札・プロポーザル参加数を拡大し、受託実績の積み上げによって知名度を高め、他の自治体への紹介につなげていく。また、自社の単独受注にこだわらず、案件の受託はできるが人材リソースを持たない他社との連携を強化し、間接的な形でも公民連携事業への参加実績の積み上げを狙う。なかでも学校現場では喫緊の課題が目白押しで、外部委託を考える学校や自治体が全国的に広がりつつあり、学校や自治体は一度サービスを導入すると使い続ける傾向があるため、先行する優位性や上場企業としての知名度を生かし、学校や自治体に積極的に切り込んでいく。

個別指導教室事業では、今後もドミナント戦略に基づき、神奈川県を中心に首都圏の子どもが増えるエリアに積極的に出店する方針だ。そのため店舗開発業務の担当者を増員し、不動産会社とのネットワークやディベロッパーとの提携を進め、新規エリアの調査分析や売上予測の能力を強化している。こうした施策に加えて、上場による知名度上昇をテコに、当面の目標である100店に向けて2024年3月期に出店を加速した。また、ニーズが強まっている学童保育については、人材サービスとともに自社運営の「ペンタスkids」を拡充する方針である。家庭教師事業については、オンライン型家庭教師サービスが、利便性などの点で同社・保護者・家庭教師にとって三者三得のビジネスモデルであるうえニーズも強く、中長期的な成長が見込まれる。このため、当面の間、広告戦略と内部体制を改善した対面型との間で当面バランスを取りながら市場シェアを獲得し、その後はオンライン型、対面型ともに全国展開を強化する計画である。オンライン型に関しては、海外展開も視野に入れているようだ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)

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