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nms Research Memo(5):製造業でのデジタル化普及遅延解決へ。セールスフォース・ジャパンとの協業を開始


■中長期の成長戦略

nmsホールディングス<2162>は、主軸であるHS事業において「生産現場におけるデジタルテクノロジーの導入・運用の遅れ」「正規社員削減による生産性の低下、品質問題、安定した生産現場の確立」を日本の製造業の大きな課題と捉え、これに対して同社独自のビジネスモデルを構築する計画である。まずは、必要技術・ツールをワンストップで提供し、製造業のDX推進のサポートをしていく。様々な特性を持つAI企業・パートナー企業、海外の政府・大学とのネットワークを活用し、人材・生産管理・自動化・部材調達・物流といった顧客ニーズに合ったDXを実現していく考えである。

日本企業の製造現場におけるデジタル化の遅延は国の課題として認知されており、政府主導で解決を図っている。「デジタル化による効果を事前にイメージしづらい」「ITが分かる人材がいない」など様々なボトルネックはあるものの、デジタル化は国の生産性向上に向けた喫緊の課題であり、今後あらゆる方面でデジタル化普及に向けた潮流が強まると予想する。そうしたなか、DXの推進サービスを手掛ける同社にとっては、中長期的に大きなビジネスチャンスが訪れると弊社は考える。

製造業のDXに向けて、同社はセールスフォース・ジャパンと協業し「グローバル・プラットフォーム・サービス」を共同開発し、2022年10月に提供開始した。これは、同社独自の人材サービス関連のノウハウとセールスフォース・ジャパンのCRM(顧客関係管理)テクノロジーを掛け合わせた、顧客のニーズに合わせて海外モノづくり人材の採用から定着支援までをサポートできるシステムである。具体的には、顧客ニーズに応じた海外モノづくり人材のプラットフォーム構築、人財データ可視化、日系製造業への外国人材派遣・採用支援、外国人材の評価・キャリア開発支援などのサービスを提供している。2022年10月の時点で500名規模の受注を獲得しており、顧客からの引き合いは好調な状況である。今後はベトナム市場を皮切りに、市場を順次拡大する計画だ。そのうえで、2024年に売上高100億円規模へと同サービスを拡大させていくことを目指している。

さらに、同社は国内外の製造業のファブレス化に貢献できる高度人材の育成・提供も進めている。グループ内EMS・PS事業とのシナジーに加え、ジョブグレードアップ制度の展開や技術・技能教育の拡充により、様々なニーズに貢献する即戦力人材を育成していく。同社のビジネスモデルでは人材こそが競争力・成長力の源泉であり、こうした積極的な取り組みが、中長期的に同社の業績を押し上げていくと弊社は期待する。

なお、2024年3月期を初年度とする次期中期経営計画は現在策定中である。事業環境の変化を注視しながら、時機を得て対外的に公表することを想定している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)

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