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平山 Research Memo(10):現場改善コンサルティングと人材採用力・育成力を強みに、年率2ケタ成長を目指す


■今後の見通し

2. 中期経営計画
平山ホールディングス<7781>は中期経営数値目標として、2024年6月期に売上高400億円、営業利益率4%の達成を目指している。今後2年間の年平均成長率は売上高で20%、営業利益で52%となる。2024年6月期の事業セグメント別売上高は、インソーシング・派遣事業で292億円、技術者派遣事業で40億円、海外事業で25億円、その他事業で15億円のほか、M&Aで28億円を計画している。なお、2023年6月期の売上目標340億円に対して、M&A効果を除いた320億円を売上計画値として公表しているが、オーガニックでも340億円を目指していく考えであり、外部環境が悪化しなければ達成する可能性はあると弊社では見ている。

弊社では、今後数年間は同社にとって追い風が続き、事業を拡大していく好機になると見ている。国内の市場環境として、円安の進展や国策も相まって製造業の国内生産回帰の動きが活発化する一方で労働者不足が慢性化しており、外国人労働者も含めて人材サービスの需要拡大が見込まれること、そのなかで同社は製造現場のコンサルティングノウハウを持ち、外国人技能実習生も含めた人材の採用・育成力を強みとしているためだ。こうしたなか同社は、成長戦略として以下の5つのポイントを重点施策として取り組み、中期業績目標の達成を目指していく。

(1) 新規事業と既存事業の融合による高付加価値サービスの創造
主力のインソーシング・派遣事業では製造現場の請負を中心に展開してきたが、サービス領域を工場のインフラ部門やバックオフィス部門のほか、非製造業分野の流通・店舗運営部門へと領域を拡大していく。事業領域の拡大にあたっては、従来の強みである現場改善力に加えて、AIやIoT技術、RPAなどのITソリューションを組み合わせるなど付加価値の高いサービスを提供することで、競合他社との差別化を図っていく戦略だ。新たに開始した工場立ち上げ支援サービスも、既存顧客の新工場立ち上げ時や新規顧客開拓のためのフック役になるサービスとして期待される。

(2) エンジニア派遣の領域拡大に伴う高付加価値人材の育成と多様な人材採用
大企業を中心にスマートファクトリー化に取り組む動きが増え始めており、製造現場でIoTやAI技術の導入が進むと同時に、こうした技術を活用できる専門のノウハウを持ったフィールドエンジニアの需要も増加傾向にある。このため、同社はフィールドエンジニア派遣についても強化していく計画で、人材採用については国内だけでなく、ミャンマーやベトナムの大学との連携により海外学生の採用も積極的に進める予定だ。さらには、中小規模のエンジニア派遣会社のM&Aも視野に入れている。ITソリューションを製造現場で上手く活用し、導入効果を高めていくためにはエンジニアだけでは難しく、製造現場を熟知している同社のような存在が一緒になり考えることでより効果が発揮できると考えられ、シナジーは大きい。

なお、2024年の人員採用については国内の新卒採用(専門学校・大学)で年間1,000名、中途正社員で同3,000名とし、外国籍技術者については、機電系やソフトウェアのエンジニアなど合わせて100名程度の採用を目標としている。外国籍エンジニアについてはミャンマーのマンダレー工科大学との連携が軍事政権誕生以降、難しくなっていることから、キャリア採用に軸足を移しており、ベトナムでの現地採用に加えてWebサイトを通じた募集・採用活動を行っている。

(3) 外国人労働者の受入管理受託サービスを全職種で展開
外国人の入国制限が解除されたことで、子会社の平山GSで展開する外国人労働者受入管理受託サービスの成長が見込まれる。国内における労働力人口の減少傾向が続いており、2030年には約640万人分の労働力が不足するという予測があり、こうした不足分を外国人労働者で一定数まかなっていく必要があるためだ。

同社は、送り出し国としてベトナム、フィリピン、ミャンマー、インドネシアの4ヶ国とネットワークを構築しており、これら外国人労働者の受入れ先となる中堅・中小企業の開拓を進めている。受入れ先企業では、入国前・入国後の教育・研修ができないため、平山GSで教育・研修サービスや労務管理業務受託サービスを提供し、受入れた外国人労働者の帰国後の就職支援等も行っている。受入れ実習生の数としては、技能実習の業種を拡大していくことで短期的に300名、中期的に1,000名を目標としており、今後の成長が期待される分野として注目される。

(4) 国内の人材ビジネスパッケージを横展開(タイ)
国内で約30年にわたり蓄積してきた製造請負・派遣、現場改善コンサルティング、人材教育等のノウハウをパッケージ化し、タイに横展開していく。また、ベトナムについては足元の市場環境を勘案して、現在は活動を休止しているものの、日系企業の製造拠点は多いことから、市場環境が好転すれば再開するものと見られる。

(5) サービス事業(小売、物流、介護等)顧客の拡大
FUN to FUNでは現在、食品加工業界向けが売上高の約6割を占めているが、今後は人材不足感が強い物流倉庫や都市型ミニスーパー、ホテル向けを強化していく方針であり、外国人労働者を積極活用しながら顧客の開拓と売上拡大を図る戦略となっている。

また、平山では、2022年6月期より介護派遣サービスを開始している。大松サービシーズで運営する介護施設をベースに、東南アジアから受入れた外国人の教育研修を行い、平山において派遣していくことになる。現在は数名程度でマーケティング段階ではあるものの、将来的に介護スタッフの人材不足が見込まれることから成長ポテンシャルは大きいと見ており、3年後に介護人材で300名の外国人スタッフの育成を目標としている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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