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【阪神】ハマの神風味方にした虎外野陣の「準備力」筒井コーチ「だいぶ前から仕込んできたこと」


4月1日、ナイターで守備練習でフライを打つ阪神筒井コーチ。左は梅野、右は嶋田バッテリーコーチ

<虎を深掘り。>

なぜ、神風を味方につけられたのか-。日刊スポーツの随時企画「虎を深掘り。」の今年第6回は、守備陣が見せた強風下での対応力に焦点を当てます。強い風が吹き、内外野の間に落ちる安打も多かった11日DeNA戦(横浜)。虎の外野陣はビジターながら落ち着いたプレーでミスを防ぎました。筒井壮外野守備走塁コーチ(49)はその要因について、開幕前からの「準備力」のたまものだと明かしてくれました。【取材・構成=波部俊之介】

    ◇    ◇    ◇

荒れた試合の中、堅実さが際立った。両チーム合わせて20得点の乱戦となった11日のDeNA戦。試合前から強風が吹き荒れ、序盤から内外野の間にポトリと落ちる安打が多発した。それでも阪神守備陣は風に流され続ける飛球に冷静に対応。ビジターながら安定した守りを徹底した。

筒井コーチも「いつも以上に強いなと思いましたけどね」と振り返った強風。どのような対策が存在したのか-。意外にも、特別に変わった指示は与えていなかったのだという。

「こうなった時に過剰に反応しすぎないという部分は、取り組んできていることなので。その辺の準備力は、もうだいぶ前から仕込んできたことですからね」

思い返せば開幕直後の4月1日、甲子園のナイター練習でフライキャッチを繰り返すなど、飛球への対応を徹底してきた。浜風の吹く甲子園を本拠地にするからこそ、風との向き合い方は指導を続けてきた。横浜スタジアムでも地に足が着いていた一番の要因は、普段通りを徹底できた点に尽きるのかもしれない。

横浜スタジアムには特有の「性質」がある。

「フェンスが高くて球場がすり鉢状になっている。上で吹く風と下で吹く風とで、風が真逆になるんです。高く上がったら(追い風なら追い風、逆風なら逆風で)そのままの風。それはこの球場に限らずなんですけど、ハマスタでは結構あるんですよ」

筒井コーチいわく、たとえば追い風の場合、高く上がった打球はそのまま伸びるが、落下するにつれて逆風で戻されるケースも少なくないそうだ。高さによって変わる風向きに対して、どの高さを基準に切り替えるかの判断は決して簡単ではない。だが、普段甲子園でプレーする阪神ナインは、そこに対しても明確な基準を持っていた。

「甲子園でいえば、銀傘を越えるか越えないかという話をいつも言います。銀傘を越えると風向きのままだし、越えないとその逆の時もあるから気を付けて、と言っています」

普段の練習から染み込ませた基準を持っているから、どの球場でも似たような感覚でプレーできるということだろう。

「ライトだったら『浜風やし伸びひんな。じゃあハーフライナー来たらどうなん』となったら、普段通りのフライだったり。追い風が飛ぶように感じるけど、向かい風が実は風の影響を受けて飛ぶとかね。だからライナーは伸びたりするんです」

特に11日の横浜スタジアムは「ちょっと風が回っていた」。思い返すと、電光掲示板の上部、最も左に掲げられた阪神の球団旗が、くるりと風で巻きついていたのが印象的だった。7回には1度だけ、佐野の打球が前川の前にポトリと落ちる左前打もあった。あの場面も「一見捕れるように見えるけど、真下に落ちてきた。(風が)ぶつかっているから」と振り返る。

阪神守備陣が風をコントロールした一戦。それは普段から準備を続けてきた成果が出たゲームとなった。

「知識としては植えつけているけど、最後の対応は選手たち。教えることは教えているし訓練もしているけど、ゲームの中において(風は)生き物だから」

常日頃からの教えを実践し、その上で対応したナインたち。7点リードを大逆転された一戦でも、準備力と実行力は光り輝いていた。

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