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プロパスト Research Memo(1):コンセプトとデザインで新しい住環境を提案、コロナ禍においても業績は堅調


■要約

1. 分譲開発事業、賃貸開発事業、バリューアップ事業を展開
プロパスト<3236>は、東京証券取引所JASDAQスタンダード市場に上場し、2022年4月からは東京証券取引所「スタンダード市場」への上場を予定する総合不動産ディベロッパーで、分譲開発事業、賃貸開発事業、バリューアップ事業の3事業を展開する。同社は、都心の立地の良い場所に特化した不動産業を展開しており、扱う物件は都市生活を満喫できるような高いデザイン性が大きな特長である。他のディベロッパーとは異なり、物件名はそれぞれのコンセプトをもとに名付けている。競争の激しい首都圏のマンション市場をターゲットにしながら、同社では情報整理とスピーディな判断による「仕入力」、地域のポテンシャルを最大限に引き出し、地域特性や周辺環境と調和したコンセプトの空間を創造する「企画力」や「デザイン力」などの強みを発揮して、成長を続けている。

2. 2022年5月期第2四半期は、減収減益ながら計画を上回る決算
2022年5月期第2四半期累計の売上高は10,636百万円(前年同期比19.5%減)、営業利益1,364百万円(同20.5%減)、経常利益1,135百万円(同25.6%減)、四半期純利益763百万円(同28.5%増)と減収減益決算であった。ただ、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)や緊急事態宣言が長期化したなかで、同社ではコンセプト重視やエリアを絞った企画により、売却・仕入ともに順調となり、会社計画を上回る決算となった。セグメント別では、分譲開発事業は、販売物件が1プロジェクトのみで、販売の進捗に伴って販売戸数が少なくなっていたことから、売上高340百万円(同26.9%減)、営業利益15百万円(同45.0%減)にとどまった。賃貸開発事業は、9物件を売却したものの好調だった前年同期の実績を下回り、売上高6,253百万円(同39.7%減)、営業利益1,387百万円(同28.2%減)となった。バリューアップ事業は、収益性の高いエリアで8物件を売却した結果、売上高4,034百万円(同69.7%増)、営業利益461百万円(同71.7%増)となった。利益剰余金の増加や2020年11月に実施した第三者割当増資により純資産が増加したことで、自己資本比率は26.9%と、2013年5月期の9.5%から大幅に上昇し、同社の安全性は大きく改善した。

3. 2022年5月期は、慎重な期初業績予想を維持
2022年5月期の業績予想については、期初予想を維持し、売上高20,364百万円(前期比7.8%増)、営業利益1,457百万円(同15.0%減)、経常利益980百万円(同24.5%減)、当期純利益696百万円(同24.3%減)の増収減益を計画している。賃貸開発事業では下期には前年同期並みの業績を見込み、バリューアップ事業も好調を維持すると見るものの、分譲開発事業については販売物件が限られることから引き続き慎重に見ている。同社では例年、期初は慎重な予想を立てており、2022年5月期についてはコロナ禍が経済に与える悪影響も勘案して一段と慎重に予想している。ただ、経常利益や四半期純利益は第2四半期累計実績が通期の計画を上回っており、最終的には予想を上回り着地する可能性が高いと弊社では見る。配当については、引き続き財務体質の強化を優先し、2021年5月期と同額の1株当たり2円を予定する。また、2021年7月に自己株式の取得を実施し、今後も継続する意向である。

4. 2023年5月期以降も、堅調な業績を継続する見通し
同社のマーケットである首都圏のマンション市場では、最近では新築マンションの1戸当たり平均価格は高値圏で横ばいながら、販売戸数はコロナ禍に伴う2020年前半の落ち込みからは回復している。一時は、郊外への居住増加や東京オリンピック・パラリンピック後の建設需要の落ち込みの影響も懸念されていたが、足下では首都圏のマンション人気は回復傾向にあり、長期的には都心の好立地マンションへのニーズは根強いと見られる。同社の強みである物件の仕入力に、定評のある企画力・デザイン力が加わり、3事業が補完し合うことで、2023年5月期以降も堅調な業績を継続すると弊社では見ている。

■Key Points
・総合不動産ディベロッパーで、分譲開発事業、賃貸開発事業、バリューアップ事業の3本柱。都心の立地の良い場所に特化した不動産業を展開し、都市生活を満喫できるような高いデザイン性が大きな特長。2022年4月からはスタンダード市場に上場の予定
・2022年5月期第2四半期は減収減益決算ながら、会社計画を大きく超過。特にバリューアップ事業が好調で、会社全体の業績をけん引。利益剰余金の増加により、自己資本比率は26.9%に上昇
・2022年5月期の業績は、コロナ禍の経済への悪影響も勘案し、増収減益を予想。ただし、第2四半期の実績からは、予想を上回る着地となる可能性大。財務体質の強化を優先し、2021年5月期並みの配当を計画し、自己株式取得も継続
・足下では首都圏のマンション人気は回復傾向にあり、都心の好立地マンションへのニーズは根強い。同社の強みである物件の仕入力に、定評のある企画力・デザイン力が加わり、3事業が補完し合うことで、2023年5月期以降も堅調な業績を継続する見通し

(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)

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