ＴＯＫＡＩ Research Memo（3）：2022年3月期第2四半期は増収減益。社内計画比で売上高や営業利益等上回る

■業績動向

1. 2022年3月期第2四半期累計業績の概要
TOKAIホールディングス<3167>の2022年3月期第2四半期累計の連結業績は、売上高で前年同期比6.9%増の96,060百万円、営業利益で同4.2%減の5,223百万円、経常利益で同3.9%減の5,284百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益で同30.4%減の2,281百万円と増収減益決算となった。ただ、社内計画比では売上高、営業利益、経常利益ともに数億円程度上回ったもようだ。親会社株主に帰属する四半期純利益については、特別損失として固定資産除却損382百万円、周年事業費用208百万円、その他損失498百万円※1を計上したことにより減益率が大きくなっている。なお、2022年3月期より会計方針を変更したことに伴い、売上高で約11億円の減少要因※2となったが、営業利益への影響は軽微であった。

※1 子会社2社の元従業員が2014年から架空請求や会社資金の私的流用を行うなど、合わせて541百万円の不正な利益を得ていたことが名古屋国税局の税務調査により発覚し、関連費用として見込まれる額498百万円を計上した。
※2 CATV事業で10億円、エネルギー事業で9億円、アクア事業で1億円の減少要因となった一方で、建築設備不動産事業で5億円、情報通信事業で0.4億円、その他で4億円の増加要因となっている。


売上高は継続取引顧客件数の拡大に伴う月額課金収入の増加に加え、法人向け情報通信事業の拡大、建築設備不動産事業におけるM&A効果などが増収要因となり、第2四半期累計として2期ぶりに過去最高を更新した。2022年3月期第2四半期末の継続取引顧客件数は、LPガスやCATVを中心に前年同期末比で83千件増加の3,125千件となった。また、TLC会員サービス※の会員数についても同85千件増加の1,023千件と順調に拡大している。

※TLC会員サービスとは、同社グループのサービス利用者が入会できるサービスで、利用額に応じてポイントが付与されるほか、会員限定特典サービス等を受けることができる。


増収にもかかわらず営業利益が減益となった要因は、エネルギー事業やアクア事業における顧客獲得費用の増加や、ワークスタイル改革のための環境整備費用を計上したことによる。事業セグメント別では、エネルギー事業、アクア事業、その他・調整額が減益となり、情報通信事業、CATV事業、建築設備不動産事業が増益となった。また、社内計画比ではエネルギー事業、情報通信事業、CATV事業が上回っており、建築設備不動産事業、アクア事業、その他・調整額についてはそれぞれ若干程度下回る進捗となった。

（執筆：フィスコ客員アナリスト　佐藤　譲）


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