ジェネパ Research Memo(4):主力であるECマーケティング事業はEC需要の増加により過去最高売上高を達成
1. 2021年10月期第2四半期の連結業績
ジェネレーションパス<3195>の2021年10月期 第2四半期の連結業績は、売上高6,400百万円(前年同期比11.0%増)、営業損失4百万円(前年同期は67百万円の黒字)、経常利益42百万円(同24.9%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益12百万円(同47.9%減)であった。特に主力事業であるECマーケティング事業において、コロナ禍によるEC需要の増加により家具・家電・生活雑貨等の売上が好調であったことから、過去最高売上高を達成した。また、第2四半期連結会計期間売上高3,400百万円についても過去最高を達成した。
既存のECマーケティング事業においては、コロナ禍の影響によりEC需要、巣ごもり需要の増加により、PV数、受注件数、パートナー企業数、取扱商品数などがいずれも堅調な伸びで事業拡大に貢献した。ECサポート事業は、新たな事業分野拡大のための投資が先行しているほか、前期に利益率の高い大型案件が計上されたことによる反動があった。商品企画関連事業については、青島新綻紡貿易及び国内事業、ジェネパベトナムの全ての拠点においてコロナ禍の影響を受け、納期の遅延や原材料価格の高騰による利益低下要因が発生した。
四半期ベースでは、第2四半期は売上高3,400百万円(第1四半期は2,999百万円)、営業利益29百万円(同33百万円の損失)、経常利益92百万円(同49百万円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純利益69百万円(同57百万円の損失)となった。売上高は13.4%増収となり、各段階利益は黒字に転換した。
販管費全体では前年同期比で246百万円の増加、前年同期比対売上高比では同1.2ポイント増となった。荷造包装費が増加した要因は、連結売上高に占めるECマーケティング事業の売上比率の上昇に伴う増加であり、広告宣伝費については、マーケティングデータを活用し外部広告費を抑制しているが、当四半期はセール対策等で微増となった。また、ロイヤリティについては、ECマーケティング事業の売上比率が高まったことに伴う上昇があった。一方で、人件費については、高度人材確保のために段階的に給与引き上げを実施しているものの、システム化推進の効果により微減となった。販売促進費についてはポイント付与分であり、付与割合は概ね前年同期と同等であった。
2. セグメント別業績
(1) ECマーケティング事業
2021年10月期第2四半期は、売上高5,306百万円(前年同期比14.0%増)、セグメント利益は143百万円(同17.8%減)となった。コロナ禍によって家具・家電・生活雑貨等の売上が好調となり増収となった。また、利益面においては、売上高は好調に推移したが、カンナートにおけるECサポート事業において新たな事業分野拡大のための投資が先行していること、前期に利益率の高い大型案件が計上されたことが主因となり、前年同期を下回る水準で推移した。なお海外でのECマーケティング事業は、中国における青島新綻紡貿易等を拠点として、越境EC事業を積極的に継続していく方針である。
(2) 商品企画関連事業
2021年10月期第2四半期においては、売上高1,019百万円(前年同期比2.6%減)、セグメント損失36百万円(前年同期は3百万円の利益)となった。コロナ禍の影響により、メイン販売先での取扱商材である家具・寝具における納期調整が行われ、事業全体としての売上高は減収となった。利益面においては、売上高の減少に加え、全世界的な原材料及び物流費用の高騰によるコストの増加や、長引く渡航制限により青島新綻紡貿易及びジェネパベトナムへの直接支援が行えないことが主因である。
(3) その他
2021年10月期第2四半期は、売上高80百万円(前年同期比17.8%増)、セグメント利益23百万円(同14.3%増)となった。ECマーケティング事業により得られるビッグデータを利用した非物販事業として、おしゃれなインテリア・雑貨の紹介、それらの実例の紹介及び家に関するアイデアを紹介するWebメディア「イエコレクション」に掲載する記事数やPV数の拡大に向けた各種施策を継続的に実施したところ、コロナ禍の影響による在宅時間の増加に伴い、PV数が順調に推移した。また、システム開発事業において、内閣府より「エビデンスシステム構築における大規模性能調査」にかかる受託売上が計上され、売上面・利益面に寄与した。
3. 財務状況
貸借対照表を見ると、2021年10月第2四半期における総資産は前期末比317百万円増加し4,024百万円となった。主な要因は、在庫管理及び滞留在庫削減を徹底した結果、商品及び製品が52百万円減少、取引高の増加により受取手形及び売掛金が388百万円増加したことなどにより流動資産が3,616百万円となったことである。そのほかの要因として、機械装置及び運搬具が27百万円増加したことなどにより有形固定資産が14百万円増加した。また、のれんが10百万円減少したことなどにより無形固定資産が9百万円減少し、繰延税金遺産が11百万円減少したことなどにより投資その他の資産が9百万円減少したためである。
負債合計は前期末に比べ284百万円増加し2,265百万円となった。納税により未払法人税等が95百万円減少したが、季節変動により支払手形及び買掛金が247百万円増加、M&Aに関する資金の需要への備えとして締結したコミットメントライン契約による融資により短期借入金が250百万円増加したことなどによるものである。
純資産は1,759百万円となり、前期末に比べ32百万円増加した。これは主に、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上により利益剰余金が12百万円増加、為替換算調整勘定が19百万円増加したことなどによるものである。
キャッシュ・フローの状況について見ると、2021年10月期第2四半期における現金及び現金同等物は前期末に比べ150百万円減少し1,118百万円となった。当面の事業資金については、コミットメントライン契約が継続していることから充分に手当できていると判断される。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
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