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カドカワ Research Memo(1):2021年3月期第2四半期はコロナ禍も半期ベースで過去最高の営業利益


■要約

KADOKAWA<9468>は、出版、映像、ゲーム、Webサービス、教育事業等をグローバルに展開する総合エンターテインメント企業で、日本最大級の動画サービス「ニコニコ」を運営する(株)ドワンゴやゲーム開発会社の(株)フロム・ソフトウェア、(株)スパイク・チュンソフトなどを傘下に持つ事業持株会社である。

1. 2021年3月期第2四半期累計業績の概要
2021年3月期第2四半期累計の連結業績は、売上高で前年同期比2.9%減の97,553百万円と減収となったものの、営業利益は同22.8%増の7,847百万円と半期ベースで過去最高を更新した。新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響により、映像事業で約43億円、Webサービス事業で約18億円の減収要因となったものの、利益率の高い電子書籍の成長加速で出版事業が大幅増益となったほか、ゲーム事業も新作、旧作ともに好調に推移したこと、また、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進により全社的に業務効率が向上したこと等が増益要因となった。

2. 2021年3月期業績の見通し
2021年3月期通期の連結業績は、売上高で前期比1.6%増の208,000百万円、営業利益で同29.8%増の10,500百万円となる見通し。売上高は2期ぶりの増収に転じ、営業利益は過去最高を更新する見通しだ。コロナ禍の第3波が到来しつつあるなかでも、4つの成長事業(書籍、アニメ、ゲーム、教育)についてはマイナス影響を受けることなく好調を持続し、業績をけん引するものと予想される。営業利益の進捗率は第2四半期までで74.7%に達しているが、下期は2020年11月にグランドオープンした「ところざわサクラタウン」にかかる減価償却費の増加や立ち上げ費用負担が掛かるほか、Webサービス事業においても「ニコニコ動画」の売上回復に向けた投資を予定するなど費用の増加を見込んでいることが要因となっている。ただ、ゲーム事業は、「サイバーパンク2077」等の期待タイトルの販売動向次第では上振れする可能性もあると弊社では見ている。

3. 中期経営方針について
同社は2023年3月期までの中期経営方針において、自社の強みである「IP創出力×IP展開力×IP体験力」をベースに、グローバル・メディアミックス戦略とDXの推進により成長を加速していく戦略を打ち出している。経営数値目標としては、2023年3月期に売上高2,400億円、営業利益で160億円を掲げている。成長事業と位置付ける4事業(書籍、アニメ、ゲーム、教育)に経営資源を投入し、目標達成を目指す。書籍については電子書籍の成長と製造・物流改革の推進によって、また、アニメやゲームは自社IPのメディアミックス戦略の推進並びにパブリッシング事業の取り込み等によって伸ばしていく。教育事業(EdTech)については、ドワンゴが教育システムを提供する(学)角川ドワンゴ学園の「N高等学校」の生徒が拡大を続けているほか、2021年4月には「S高等学校」の新設と同時に、VR技術を活用した教育システムの提供も開始する予定となっている。「N高等学校」の生徒数は2020年10月時点で1.5万人と対2019年4月で+50%で拡大を続けている。今後は生徒数の増加に加えてVR授業の導入による新たな付加価値の導入も見込まれており、今後の高成長が期待される。

■Key Points
・2021年3月期第2四半期累計業績はコロナ禍において半期ベースで過去最高の営業利益を達成
・4つの成長事業(書籍、アニメ、ゲーム、教育)が収益をけん引
・「基幹事業の規模拡大」×「ESG/SDGsを意識した経営」×「収益力の向上」により2023年3月期に営業利益160億円を目指す

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)


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