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インテリックス Research Memo(9):首都圏の中古マンション市場は今後も堅調な推移が見込まれる


■インテリックス<8940>の今後の見通し

3. リノベーションマンション市場の見通し
首都圏におけるマンションの販売動向について見ると、2018年は中古マンションの成約件数が前年比0.3%減の37,217戸、新築マンションの供給戸数が同3.4%増の37,132戸となり、3年連続で中古マンションが新築マンションを上回った。2019年の新築マンションの供給戸数は前年並みの3.7万戸が見込まれている一方で、中古マンションの1月−6月累計における成約件数は前年同期比3.8%増で推移しており、4年連続で新築マンションを上回る見通しだ。新築マンションの販売価格上昇が続くなかで、相対的に割安感のあるリノベーションマンションの需要が底堅く推移しているものと思われる。1月−6月累計の1平方メートル当たり単価の上昇率で見ると、新築マンションが前年同期比3.7%の上昇だったのに対して中古マンションは2.3%であった。また、首都圏以外の主要都市部においても中古マンションの需要は総じて堅調に推移している。

中長期的に見ても、中古マンションのストック数が年々積み上がっていくため、リノベーション市場は安定成長が続くとの見方に変わりはない。全国のマンションストックは2013年時点で約603万戸、このうちリノベーションが必要不可欠とされる築20年以上の物件は約半分の300万戸となっているが、2030年にはこれが577万戸と2倍弱まで拡大すると予想されているためだ。マンションの1棟建て替えには居住者の同意が必要であり、実現が容易でないことも戸別のリノベーションマンション市場の拡大を後押しすると見ている。

今後の市場拡大を見越して、リノベーションマンションを手掛ける企業も増加傾向にある。リノベーション住宅の認知度向上と流通促進を目的に2009年に発足した(一社)リノベーション協議会の会員数(不動産、設計、ハウスメーカー、住設メーカー等)で見ると、協会発足時の117会員から2019年3月末時点では965会員まで拡大した。参入企業の増加によって同社にとっては首都圏での販売件数が減少するなどマイナスの影響も受けているが、地方エリアでのシェア拡大や同業他社からのリノベーション内装工事の受注拡大も含めて、同市場での成長を目指していく考えだ。ちなみに、2018年度の適合リノベーション住宅件数は前年度比15.3%増の7,318件と過去最高を更新している。同社の2019年5月期の販売件数は1,187件だったため、現在の市場シェアは約16%、内装工事ベースだと20%弱の水準になっていると推定される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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