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冨士ダイス Research Memo(3):前期比2.0%増収、8.4%経常減益とおおむね期初計画水準で着地


■業績動向

1. 2019年3月期業績動向
冨士ダイス<6167>の2019年3月期業績は売上高18,356百万円(前期比2.0%増)、営業利益1,272百万円(同13.2%減)、経常利益1,348百万円(同8.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益950百万円(同1.9%増)と、米中問題や景気減速懸念のなかで第4四半期では米中問題や原材料高の影響があり、利益が圧迫されたものの、おおむね会社計画並みの収益を確保して着地した。

2. 2019年3月期の親会社株主に帰属する当期純利益は連続最高益更新
製品別売上高動向では、超硬製工具類がロールや半導体封止材向け混錬工具、超高圧発生用工具の販売が堅調に推移し前期比7.2%増に。超硬製金型類は粉末成形用金型販売が低調だったものの、製缶金型や光学素子成形用金型の販売が増加し1.9%増、その他の超硬製品では半導体、半導体製造装置向け、スマートフォン部品生産向けが堅調に推移し6.9%増に。一方、超硬以外の製品では鋼製の電池用金型、製缶金型、半導体用樹脂等の生産工具、KF2製の混錬工具などが低調で6.9%減と減少を余儀なくされた。なお全体として構成比に劇的変化はなく、数多くのユーザーを持ち、多彩な製品群でリスク分散がなされているのが強みと言える。

一方、利益面では経常利益で125百万円の減益となっている。この要因は、売上増加があったものの、タングステンやコバルト等の原材料費等のアップが570百万円となったほか、人員増に伴う人件費増等で130百万円が加わり、補えきれなかった。なお、親会社株主に帰属する当期純利益は2018年3月期にインドネシア子会社の減損129百万円がなくなったことで1.9%増の950百万円となり、3期連続最高益更新となった。

3. 顧客産業分類別状況
2019年3月期の単体ベースでの顧客産業分類別売上動向でも構成比に大きな変動はない。最大仕向け先である輸送用機器向けは環境対策車及び次世代自動車向けの部品成型用金型が堅調で2.7%増、鉄鋼向けでは国内外高炉メーカー向け工具が横展開で増加し8.8%増、金型・工具向け素材では次世代自動車向けなどが堅調で1.6%増に。一方、電機・電子向けは電池向けなどが減少し5.6%減、非鉄金属・金属製品向けは微減となった。全体を通じて顧客産業分類別で様々に分散しているが、同社製品が利用されて最終製品としての需要先ではおおよそ自動車関連向けが60%程度を占めるもようであり、全体として自動車生産の増加が同社収益を支えているものと判断される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 岡本 弘)



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