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ヘリオステクノ Research Memo(6):ナカンテクノでは新製品(HRP)とサービス収入拡大が順調に進捗中


■中期成長戦略とその進捗状況

2. ナカンテクノにおける進捗状況
ナカンテクノは子会社のリードテックとともに、3つの成長戦略に取り組んでいる。

(1) M&A・戦略的提携
M&A・戦略的提携では、半導体等新規事業分野への進出を狙っている。中国のメーカー及びファンドと組んで、日本メーカーの装置開発技術や生産技術をベースに東アジアを中心に販売拡大を図るというのが具体的戦略だ。今後、適切な案件が見つかれば半導体製造装置事業への進出を果たすことになるとみられる。ヘリオス テクノ ホールディング<6927>は、外部コンサルタントなども活用しながら対象企業の発掘・選定を進めていく考えだ。業績インパクトについては、現状は具体的な案件がないため業績予想にはまったく織り込まれていない。

M&A等による既存事業の拡大では、ナカンテクノが2016年10月にリードテックを子会社化したことが大きな進捗と言える。リードテックのエンジニアリング力は同社が想定していた以上だったもようで、HRPの受注案件に関連して、リードテックが今第2四半期の生産・納品で大きな実績を上げたのは前述のとおりだ。リードテックはHRPの生産・据付に加え、後述する中古プラント移設事業でも活躍が期待される。

(2) 新製品の開発・拡販
新製品による成長戦略ではHRP(高精細プリンター)への期待が高まっている。現在商品化されている高精細インクジェットプリンターはスマートフォン向けの用途に受注を獲得した。当該顧客は大手有力メーカーとみられるためこれが呼び水となってほかのスマートフォン関連企業への販売拡大が期待される。また、用途開発の進展による他用途向けの売上拡大も期待されるところだ。

(3) 既存分野でのサービス収入の拡大
サービス収入の拡大というテーマでは、中古プラント設備(半導体製造装置やFPD製造装置)の中国への仲介・移設や既納入設備に対する保守・メンテナンス、及び消耗品販売の収益化に取り組んでいる。中古設備については20数億円の大型案件を受注済みだ。顧客都合によりこの案件の売上計上は2019年3月期になる見通しで、今2018年3月期は大きく落ち込む形になるが、こうした需要の波はこの事業の本質とも言え、同社自身及び投資家も受け入れざるを得ないと言えるだろう。弊社では事業の持続性をより重視しているが、その点では、ナカンテクノの中国での人脈が生きる形で、今後も一定の受注を継続できるとみている。

保守・メンテナンスや消耗品販売については、事業セグメント別動向の項で前述したように、2018年3月期は収益の急拡大が見込まれている。これらのビジネスは既納入装置の積み上がりによって拡大するストック型モデルであり、今後も拡大が続くと期待される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)



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