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児玉化 Research Memo(1):自動車内外装材と住宅設備機器に強みを持つ樹脂加工メーカー


■要約

児玉化学工業<4222>は、1946年に創業した樹脂加工メーカー。1962年に東京証券取引所第2部市場に上場し、この分野において独創的な成形法を開発して発展を遂げてきた。2006年に三菱ケミカルホールディングス<4188>グループの一員となり、2010年からは三菱ケミカルホールディングスグループの翼下で同グループが持つ研究開発力と当社の製造技術を融合させたプロダクトラインの連携に取り組んだ。ただ、現在は三菱ケミカル(株)の出資比率は17%まで低下し、徐々に三菱色が薄くなっている。

事業内容は、セグメントが「自動車内外装材」と「住宅設備機器」と2つに大きく分かれる。前者は、各種ピラー類、ラッゲージトリムやトランクトリム、ドアトリム、スポイラー、フェンダーカバー、インストルメントパネル、フロントスポイラーやスカートなど幅広く手掛けており、国内ではトラック向けに強みを持つ。一方、「住宅設備機器」では、洗面化粧鏡、キッチン、トイレ、バスなど、水周りに採用される樹脂製品を提供。とりわけ、洗面化粧鏡及び「ウォシュレット」のフタと箱の部分は代表的な製品である。

売上高構成比において現在、「自動車内外装材」は国内よりも海外の比重が高い。いずれのセグメントも、タイ、インドネシアといった東南アジアや中国、ベトナムで展開している。ただ、海外で苦戦をしたために、2016年3月期は一時的に債務超過に陥った。ただ、それをきっかけに海外での事業構造、資本構造を転換させたことで、2017年3月期には債務超過を解消。収益上向きが期待できる状況となってきた。

2017年3月期第1四半期は、これら海外の構造変化の効果が現われ、売上高こそ4,594百万円(前年同期比8.2%減)と減収を余儀なくされたものの、営業利益は42百万円(前年同期は42百万円の損失)と黒字に転換した。2018年3月期の通期見通しは、売上高が18,700百万円(前年比12.3%減)とマイナスとなるが、営業利益は250百万円(前年実績は96百万円の損失)、経常利益は80百万円(同315百万円の損失)と黒字への浮上が予想されている。

■Key Points
・自動車内外装材と住宅設備機器を主に扱う樹脂加工メーカー
・トラック向け、水回り樹脂製品に強み
・海外での事業、資本構造の見直しにより収益が回復基調

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水野 文也)


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