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三井化学 Research Memo(5):食品包装フィルムや農薬を中核に、産業向け製品群も交えて構成


■事業の概要

4. フード&パッケージング事業
フード&パッケージング事業はコーティング・機能材、包装用フィルム、産業用フィルム・シート、及び農業化学品の4つのサブセグメントに分かれている。このうち包装用フィルムと農業化学品はイメージしやすく、また、レトルト食品の容器などの形で目にすることができる。一方、コーティング機能材や産業用フィルム・シートなどは、生産工程で消費されたり、部品として内部に入り込んだりして一般消費者の目につきにくいものが多い。

フード&パッケージング事業はその名称と製品群別サブセグメントに違和感を持つ向きがあるかもしれない。それを解くカギは川上の原料化学品から川下の化学製品の流れ(“チェーン”)にある。フード&パッケージング事業の各製品は三井化学<4183>が世界レベルの強みを有するイソシアネート・チェーンでつながっている。イソシアネートからポリウレタンという流れが基本だが、付加する物質を変えることで様々な性質を持った化学品を製品化している。具体的な製品としては、コーティング材、接着剤、シーラント材、エラストマーなどがある。同社はこれらを外販しており、販売先においては半導体や電子部品、建設用資材など様々な分野で、原料や生産材として幅広く利用されている。一方で、同社は高機能のポリオレフィン系合成樹脂を生産しており、それをフィルムやシートに加工する技術も高い。各種合成樹脂シートを同社の接着剤で貼り合わせて、強度やガスバリア性など様々な特性を有するフィルムを製造し、食品包装用などに向けて販売している。この包装用フィルムがセグメントの名称を表しているが、産業用途向けの材料も大きな構成比を占めているという点がポイントだ。また、農業化学品は農薬がその内容となっており、“食”の領域にあるため、このセグメントに含まれている。

売上高の地域別内訳は日本が約7割を占めている点が特徴的だ。これは同社の農薬が他社の例とは異なって3分の2が国内市場向けである点が大きな要因だ。しかし、今後は農薬の海外展開を加速させる計画であるほか、包装用フィルムやその材料についてアジア展開を進めていることもあり、日本の構成比は徐々に低下していくものとみられる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)


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