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イントラスト Research Memo(7):家賃ソリューションから医療・介護、多業種に事業領域を拡大するビジョン


■中長期の成長戦略

1. 中長期の成長イメージ
イントラスト<7191>は、2016年12月の上場後に中長期の成長イメージを発表している。4つの事業領域に分けて成長スピードとそのタイミングを示したものだ。

(1) 家賃債務保証(リスクあり)領域は、これまでの同社の柱であり、今後の継続成長基盤と位置付けている。
(2) 家賃債務保証のソリューションサービス領域は、現在の成長ドライバーである。家賃債務保証(リスクあり)からシフトする流れが続いており、事業の柱となりつつある。
(3) 介護・医療費用保証領域は、事業立ち上げの最中である。潜在的な市場は大きく、社会課題となっているため、将来的に大きなビジネスに発展させたい考えだ。
(4) 新たな分野へ積極展開し、多業種での保証ビジネスを行う総合保証サービス会社となることが、同社のビジョンである。既に対象業種は検討され始めており、金融(保険など)、人材派遣、通信・EC、教育機関、不動産などの業界に対して、同社が得意とするソリューションサービスを提案する構想だ。

2. 家賃債務保証市場の将来性
家賃債務保証市場はこれまでも毎年2ケタ成長をしてきており、今後も成長を維持すると見られている。以下の3つが成長の主なドライバーである。

(1) 世帯数の増加は、保証件数の増加につながる
(2) 連帯保証人の保証限度額に上限を設ける方向で民法が改正される流れである
(3) 高齢社会になり、収入が限定される高齢者は保証会社を利用する率が増える

さらに、同社ならではの特徴が、市場の追い風を受けやすくしている。

(1) 大手不動産管理会社の成長性は、市場平均よりも高いため、同社にとって有利である
(2) 保証サービスとソリューションサービスのどちらのニーズにも対応できる

という2つが同社の特長である。

3. 病院の外部監査の義務化(2017年4月以降)が追い風に
病院は経営において、未収金問題は避けて通れない課題となっている。ある試算によれば、現在の1年間の未収金累積額は300億円~500億円(公立は含まない)と推定されている。これを受けて2017年4月2日以降開始の事業年度より、一定規模以上の医療機関を対象に外部監査の義務化が始まった。今後は、未収債権の踏み込んだ解決が求められることになり、同社が開始した機関保証のニーズが高まるとともに、債権回収などの業務の外注化の動きも出てくるだろう。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)



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