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タカショー Research Memo(1):2017年1月期は減収減益だが、米国への本格展開で成長加速を目指す


■要約

タカショー<7590>はガーデンニング及びエクステリア商品の企画、製造、販売を主力としており、ガーデニング用品の取扱いでは国内最大級の規模を誇る。「やすらぎのある空間づくり」を基本コンセプトに、人工・天然の竹木製フェンスやガーデンファニチャー、緑化資材のほか、照明器具や池・滝・噴水なども手掛けている。庭での暮らし方を提案する「ガーデンライフスタイルメーカー」として業容を拡大してきた。国内のみならず、海外への販路拡大にも積極的であり、欧州、米国、アジア、オセアニアなどへの展開も同社の成長を後押ししている。最近では、エクステリア分野(住宅の門扉やフェンス、カーポートなど)のほか、レストランやホテル向けなど市場の大きなコントラクト分野(非住宅市場向けの建材・外装)へも参入するとともに、英国子会社の「ベジトラグ」ブランドによるグローバル展開に向けた基盤づくりにも取り組んでおり、新たな成長軸が着実に立ち上がってきた。

ただ、2017年1月期の連結業績は、売上高が前期比3.5%減の17,223百万円、営業利益が同30.4%減の503百万円と減収減益となった。ホームユース向けが低調に推移したことに加えて、為替相場(邦貨換算レート)の変動による影響を含めた海外子会社の縮小が業績の足を引っ張った。一方、注力するプロユース向け(エバーアートウッド関連商品や独自のローボルトライトなど)は堅調に推移している。また、海外子会社の中でも、ベジトラグUSA(米国)は大手ホームセンター(ホームデポやロウズ等)との取引開始により順調に立ち上がっている。また、中国及び国内工場の増設やショールーム展開、システム投資など、今後の事業拡大を見据えた積極投資にも取り組み、一定の成果を残すことができたと言える。

2018年1月期の連結業績予想について同社は、売上高を前期比4.6%増の18,010百万円、営業利益を同15.7%増の582百万円と増収増益を見込んでいる。引き続きプロユース向けが好調に推移するとともに、海外子会社が大きく回復する見通しである。特に、順調に立ち上がってきたベジトラグUSA(米国)が大幅に伸びる想定となっている。一方、ホームユース向けは、商品構成の見直し(定番商品への入れ替え等)などに着手し、業績は一旦踊り場となりそうだ。弊社では、プロユース向けが大手ハウスメーカー各社との取引や海外からの引き合いが増えていること、海外子会社についても、米国をはじめ、英国や豪州などが好調に推移していること、並びにタカショーヨーロッパ(ドイツ)にも回復の兆しがあること、2017年1月期業績の足を引っ張ったホームユース向けは保守的な水準としていることなどから、同社の業績予想の達成は可能であるとみている。

弊社では、過去5年間にわたって積極的な先行投資を行ってきた同社のこれからの成長性に注目している。特に、エクステリア分野に加えて、新たに参入したコントラクト分野における案件の広がり、「ベジトラグ」ブランドによるグローバル展開など、今後の成長に向けた基盤づくりが形になってきている。また、最近では、プロユース(エクステリア分野)向けに対する海外からの引き合いも増加しており、新たな成長軸として期待ができそうだ。ライフスタイルの変化に伴う需要の伸びに加えて、ガーデンセラピーなどの新しい領域への可能性も高まるなかで、同社自らが市場を創造・育成していく活動が成功のカギを握ると考えられる。

■Key Points
・2017年1月期はホームユースの低迷や為替相場の影響等により減収減益
・2018年1月期は好調なプロユース、並びに海外子会社の伸長等により増収増益を見込む
・「ガーデンセラピー」など、新しい領域での市場創造により持続的成長を目指す

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)



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