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ダイコク電 Research Memo(4):市場は年々縮小傾向


■業界環境

パチンコ業界は、遊技人口の減少、低貸玉化への流れ、消費税増税の影響などを受けて厳しい環境が続いている。警察庁によれば、パチンコ店舗数は年々減少傾向にあり、2011年から2015年の間で年平均2.1%減となっている。2015年のパチンコ店舗数は11,310店舗(前年比317店舗減)であるが、2016年3月期のダイコク電機<6430>のホールコンピュータ顧客数は同社の推定で約35%のシェアであることからユーザー店舗数は約3,900店舗と推定される。同社の顧客層は地域一番の優良店が多く、1店舗当たりの平均設置台数も警察庁発表の全国平均と比べて3割ほど多い519.1台と大型店舗が多いことから、比較的景気変動に対する抵抗力が強く、投資余力にも優れているとみられる。

一方、遊技台数については、パチンコ遊技機が減少しているものの、パチスロ遊技機が増加したことから全体ではほぼ横ばいで推移しており、店舗数の減少と合わせると、店舗の大型化が示されている。スケールメリットが生かされる店舗の大型化は、機能性や付加価値による高い投資効果を訴求できる同社にとっては追い風と考えられる。

ただ、同社推計による市場規模(総粗利ベース)で見ると、店舗数と同様、年々縮小傾向にあることから、パチンコ・パチスロ1台当たりの粗利は減少しており、店舗の大型化が進むなかでも、ホール経営は厳しい局面を迎えていると言える。特に、前期は業界における自主規制がパチンコ及びパチスロ遊技機の両方で実施されるとともに、今期に入ってからも「検定機と性能が異なる可能性のあるぱちんこ遊技機」の回収・撤去の問題が具体的に動き出したことから、業界全体が停滞感に覆われている。過去においても、射幸性の高い機種の制限が一時的な客離れを引き起こし、ホールの業績低迷を招いた経験があり、今回もその影響が懸念されるが、別の見方をすれば、射幸性に頼らないホール経営に転換が進むものと考えられる。同社は、消費税増税や自主規制による影響が一巡し、東京オリンピックの開催に向けてデフレ経済が解消されていけば、中長期的には市場規模4兆円に向かって回復していくものと予想している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)



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