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Iスペース Research Memo(3):16/9期は大幅増収増益となり、過去最高業績を更新


■業績動向

(1) 2016年9月期の連結業績概要

インタースペース<2122>の2016年9月期の連結業績は、売上高が前期比16.1%増の23,293百万円、営業利益が同158.4%増の900百万円、経常利益が同160.0%増の901百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同79.0%増の542百万円といずれも会社計画値を上回り、過去最高業績を更新する好決算となった。

アフィリエイトサービスを中心としたインターネット広告事業が好調に推移したほか、利益面ではメディア運営事業が前期に実施した収益構造改革等の効果により、黒字転換したことも大幅増益の要因となった。2015年9月期は営業体制の強化に向けた人員の大幅増強や、メディア運営事業における収益構造改革費用の計上等により一時的に利益が落ち込んだが、2016年9月期はこれら施策の効果が顕在化した格好だ。事業セグメント別の動向は以下のとおり。

○インターネット広告事業
インターネット広告事業の売上高は前期比16.5%増の22,568百万円、セグメント利益は同87.2%増の825百万円となった。2015年9月期は金融カテゴリーなどのパートナー報酬額を政策的に一部引き上げたことによる売上総利益率の低下や人件費の増加が影響して利益が落ち込んだが、2016年9月期はその影響も一巡し、増収効果がそのまま利益増に直結した格好だ。

売上高の内訳を見ると、アフィリエイト広告が前期比20.4%増の17,643百万円、SFAが同8.8%増の3,862百万円、その他(リスティング広告、アドネットワーク広告、その他)が同8.8%減の1,065百万円となり、アフィリエイト広告の好調ぶりが際立った格好となっている。

カテゴリー別売上高の前期比増減率を見ると、金融がクレジットやカードローン関連を中心に3%増と堅調に推移したほか、eコマースが健康食品、宅配水など単品通販企業を中心に34%増、サービスが格安SIM等の通信関連や人材・美容関連を中心に37%増とそれぞれ好調に推移した。一方、エンターテイメントは、主要商材のPCオンラインゲームの市場低迷が続いたことで19%減となった。

SFAについては、携帯電話の販売台数が伸び悩むなかで、既存販売店の稼働率向上と北海道など地方販売店の開拓に取り組んだこと、また、音楽やドラマ、天気予報等のコンテンツ関連やセキュリティパックの販売が伸びたことで8.8%増収となった。

また、新サービスとして2015年8月にリリースしたネイティブ広告の配信プラットフォーム「X-lift」は、大手キュレーションメディアを中心にまずは連携先の開拓と掲載枠の確保を優先して取り組んできた。この結果、インプレッション数※については2016年6月の6億回から9月には14億回と急速に拡大し、売上高も期の後半にかけて伸びが顕著となり、通期で約2億円となった。ただ、利益面では掲載枠の確保を先行して行ってきたことから、当期は若干の赤字だったと見られる。

※インターネット広告の表示された回数

海外事業についてはインドネシア、タイの連結子会社、及びベトナムの合弁会社にてアフィリエイトサービスを展開し、また、シンガポールにてアドネットワーク配信サービスを行っている。インドネシア、タイではeコマースや金融カテゴリーを中心に、またベトナムではeコマースカテゴリーを中心に広告プログラムの開拓とパートナーサイトの獲得を進めている段階で、2016年9月末の広告プログラム数は3社合計で約170プログラム(前期末は約150プログラム)、パートナーサイト数は約3.5万サイト(同約1.2万サイト)と着実に拡大している。なお、タイの広告プログラム数が第4四半期に落ち込んでいるが、これは金融カテゴリーでの取扱いを一時ストップしたことが要因となっている。

いずれの国もまだ、アフィリエイトサービスの普及前段階であり、本格的な普及拡大期に入るまでは、しばらく時間を要するものと考えられる。アフィリエイト広告を使わなくでも、商材が売れる市場環境時はニーズが低いためだ。また、各国で取引における決済・送金処理や税務処理の仕方が異なり、日本と比較するとこれら手続きが煩雑になっていることも、普及が一気に進まない要因になっていると考えられる。当期の海外事業の収益としては、売上高で数千万円、営業損失で数千万円の規模とみられ、前期比で増収、損失額は約30百万円縮小した。なお、ベトナムの合弁会社については営業外の持分法投資損益に反映されており、当期は若干の損失になったとみられる。

○メディア運営事業
メディア運営事業の売上高は前期比4.5%増の725百万円、セグメント利益が74百万円(前期は92百万円の損失)となった。売上高の内訳を見ると、Webメディア(広告収益)については「ママスタジアム」のUU数が500万を突破するなど、媒体価値の向上に伴い前期比6.0%増の246百万円と堅調に推移した。一方、コンテンツ関連に関してはゲーム事業の縮小に伴い前期比7.5%減の319百万円と減収となったものの、開発コストの低いカジュアルアプリを16本継続的にリリースしたことにより、利益面では黒字化し、事業全体が黒字化する要因ともなった。

なお、運営メディアについては「ママスタジアム」のほかにも、(株)セブン&アイ出版と共同で運用する「saitaPULS」のほか、前期にリリースしたペットキュレーションメディア「MOFMO」や恋愛キュレーションメディア「KOIMEMO」などがあり、それぞれUU数で数十万レベルになってきている。まだ売上貢献はしていないものの、UU数で100万を超えてくれば広告収益が見込めるものと考えられ、これら自社サイトの媒体価値を高めることで、ネイティブ広告とのシナジーを狙っている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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