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日本トリム Research Memo(6):海外事業ではインドネシアの売上高が急拡大



■日本トリム<6788>の事業部別の詳細データ

(1)ウォーターヘルスケア事業

ウォーターヘルスケア事業の売上高は着実に増加している。同事業の売上高利益率は20%前後で推移し、高水準の収益性が維持されている。

2016年3月期における整水器の販売チャネル別売上高(9,834百万円)は、直販のDS(ダイレクトセールス)事業部の4,976百万円(整水器売上高全体の50.6%)、既存顧客からの紹介によるHS(ホームセールス)事業部の2,054百万円(同20.9%)、百貨店やスポーツクラブなどの催事場で販売するSS(ストアセールス)事業部の868百万円(同8.8%)、大手電機メーカーなどに供給する卸・OEMの1,611百万円(同16.4%)、業務部(アフター)の323百万円(同3.3%)により構成されている。

2016年3月期までの3年間の販売チャネル別CAGR(年平均成長率)は、DS事業部が4.7%、HS事業部が15.2%、SS事業部が13.4%、卸・OEMが32.4%、業務部が5.6%、全体で10.7%であった。卸・OEMの売上高構成比は、この3期間で6.8ポイントの増加となった。

a)カートリッジ-ストック型ビジネスで安定収益源
2016年3月期のカートリッジの売上高は3,536百万円、それまでの3ヶ年のCAGRが10.1%であった。OEM供給した整水器の交換にも、同社のカートリッジが使用される。第三者による「互換」カートリッジに対しても対策済みである。

b)海外事業-インドネシアの売上高が急拡大
海外では、アジアにおいて新規市場の開拓をする成長戦略を採っている。現在、中国、インドネシア、台湾、韓国に拠点を持つ。2016年3月期の売上高は、中国が88百万円、インドネシアが448百万円、ウォーターヘルスケア事業における両子会社の売上高構成比は3.7%であった。

(2)研究開発の状況

a)産学共同研究-内外の大学と基礎から先端まで共同研究
1997年に「電解還元水の活性酸素の消去及びDNA酸化損傷からの保護作用」というタイトルで九州大学大学院と共同論文を発表した。その後も継続的に共同論文を発表している。研究対象は基礎研究にとどまらず、臨床及び疫学調査へと展開している。医療分野、農業分野、畜産分野と領域が拡大している。また、産学連携は、国内だけでなく、海外の大学、研究機関に広がっている。

b)研究開発費
同社の研究開発費は、年間2~3億円、対売上高比(R&D比率)が1~2%で推移している。研究のアウトソーシングでコストを抑えている。産学協同による基礎研究や新たな用途の開拓ばかりでなく、主力製品の家庭用電解水素水整水器の新製品開発・上市も定期的に行っている。

電解水素水整水器に関して、同社は米国、カナダ、ロシアや韓国を含む先進10ヶ国で国際特許を取得・申請中である。水道水中に含まれるカルシウムなどが電極に付着することで電解能力を低下させる現象を防ぐ、ダブル・オートチェンジ・クロスライン方式が同社独自技術となる。整水器の電解槽の寿命を延ばし、長期間にわたって安定的して電解能力を発揮できるため、同社製品の優位性になっている。

c)グループ会社
同社は、国内に9社、海外に5社、合計14社のグループ会社を有する。連結子会社は9社、持分法適用関連会社が5社になる。同社グループは、電解水素水整水器の企画・開発から製造・販売、アフターサービスまで一貫対応している。本体が販売を行っており、製造を担当する(株)トリムエレクトリックマシナリー、アフターサービスを受託する(株)トリムライフサポートより構成される。

医療関連事業では、再生医療分野で民間さい帯血バンクで最大手のステムセル研究所を運営している。また、東北大学との産学連携ベンチャー(株)トリム メディカル インスティテュートでは、メチルグリオキサール(MGO)測定事業および電解透析水整水器の販売をしている。中国においては、2016年より日本の高度な糖尿病治療及び人工透析技術を用いた日本式医療サービスを提供する病院運営事業に参画している。

(2)医療関連事業-再生医療と電解水透析

医療関連事業は、主に民間さい帯血バンクの再生医療事業及び電解水透析の2事業により構成される。これまで実施していた遺伝子関連事業からは2016年8月に撤退した。2016年3月期の売上高は、遺伝子関連事業が46百万円、再生医療関連事業が754百万円、電解水透析及びMGO測定が20百万円であった。

a)医療関連事業の組織変更−将来、日本において持ち株子会社の上場を目指す
再生医療関連事業を行うステムセル研究所は、事業分野が非常に先進的でスピードが速いため、独自経営、資金調達による事業拡大を図るため、将来、日本での株式上場を目指す。内部統制整備等を行っており、研究開発、営業、管理体制の強化に取り組んでいる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)



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