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芙蓉リース Research Memo(5):国内リース市場は縮小傾向から緩やかな回復傾向に転換


■芙蓉総合リース<8424>の業界環境

リース事業協会の調査によれば、2016年度上期のリース取扱高は前年同期比2.0%増の2兆4,271億円と半期ベースでは、2015年度上期以来連続して増加となった。過去の市場環境を振り返ると、リーマンショック後の設備投資削減の影響で、国内リース市場は縮小傾向が続いてきたが、その後、景気回復と設備投資の増加を受け緩やかながら回復傾向にある。政府による設備投資促進策も追い風となっている。なお、2014年度のリース取扱高が一旦落ち込んだのは、2013年度末に消費税率引き上げ前の駆け込み需要があった反動によるものである。

一方、競合状況については、独立系や銀行系、メーカー系などを中心として上場会社が8社存在するなど競合は厳しい。営業資産残高で見ると、オリックス<8591>、三菱UFJリース<8593>、三井住友ファイナンス&リース(株)、日立キャピタル<8586>、東京センチュリー<8439> が上位にランキングされており、同社は業界6位となっている(2016年9月末)。なお、銀行系については銀行再編に伴う合併によって規模を拡大してきた経緯がある。最近の上位顔ぶれには大きな変動はない。

国内市場の成熟を受け、ここ数年、各社が注力しているのは、太陽光などの環境エネルギー分野及び航空機リース、海外事業である。ただ、太陽光関連については政府による固定買取価格の引き下げにより足元では一巡感が漂っている。今後は、欧米や東南アジアなど海外への展開や海外案件を含めたM&Aの動きが注目されている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)



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