国内株式市場見通し:日米交渉前で様子見ムード強まりやすいが、結果次第では指数一段高も
今週の日経平均株価は米中貿易協議の進展を背景に一時38000円台を回復し、250.39円上昇しました。しかし、為替の円安ドル高と習慣的な利益確定売りが進行し、週末には38000円を割り込みました。来週の日米閣僚交渉や各社の決算発表が市場の焦点で、特に日米交渉の結果次第で自動車株や日経平均が再び上昇する可能性があります。米半導体業界の弱い決算が東京市場の半導体株に影響を与える中、投資家は引き続き半導体銘柄の動向にも注意を払う必要があります。日本国内では4月の消費者物価指数の発表が予定されており、今後の経済見通しの指針となるでしょう。
今週の日経平均は週間で250.39円高(+0.67%)の37753.72円と上昇。注目された米中貿易協議で大幅な進展が見られたことから買い優勢の展開となり、日経平均は一時3月末以来の38000円台を回復した。
スイスで開催されたベッセント米財務長官と何中国副首相との会談の結果、米中が相互に課している追加関税をともに115%引き下げることで合意した。14日に引き下げた関税のうち24%については撤廃ではなく90日間の停止となったことから、今後も米中通商交渉は続くものの、想定を上回る大幅な関税引き下げ合意を市場は好感。為替市場で一時、1ドル=148円台までドル高円安が進行したことなどから、13日の取引時間中に日経平均は38494.06円まで上昇した。決算発表がピークを迎え活発な取引が続き、13日のプライム市場の売買代金は1カ月ぶりに6兆円を超えた。ただ、TOPIXが13日まで09年以来の13連騰を記録したほか、プライム市場の騰落レシオが130%を超えるなど短期的な過熱感が台頭。利益確定売りなどが進み、週末にかけては上値が重くなり38000円を割り込んで取引を終えた。
なお、5月第2週の投資主体別売買動向によると、外国人投資家は現物を3640億円買い越したほか、TOPIX先物を133億円買い越し、225先物を936億円買い越したことから、合計4709億円の買い越しとなった。一方、個人投資家は現物を3715億円売り越すなど合計で3784億円売り越し。事業法人は現物を1550億円買い越した。
■好業績銘柄への物色が続くか
16日の米国株式市場は上昇。ダウ平均は前日比331.99ドル高の42654.74ドル、ナスダックは同98.78ポイント高の19211.10で取引を終了した。大証ナイト・セッションの日経225先物は、日中終値比30円安の37800円で取引を終えた。
日経平均は38000円台を回復した後は、さすがに上値が重くなったが、決算発表に関連した証券会社等によるアナリストレポートを材料視した物色は活発となった。来週20日の損保各社の決算発表で主だった企業の決算が出揃うため、決算内容を材料視した機関投資家による好業績銘柄への買いが入る可能性はある。投資家心理を示唆する日経平均ボラティリティー・インデックス(VI)は、一時21ポイント台と3月下旬以来の水準まで低下。先行き不透明感が払しょくされたことなどから、日経平均の下値は限定的と考える。
一方、米半導体大手アプライドマテリアルズの軟調な決算などを受けて、東京エレクトロン<8035>やアドバンテスト<6857>など半導体株はさえない。4月から5月までの日本株のけん引役だった半導体株の弱い動きは日経平均の重しとなるため、値がさ半導体株の動向には注意したい。
■来週は日米閣僚交渉が相次ぎ行われる予定
来週後半には、米国の関税措置を巡る3回目の閣僚交渉に向けて、赤澤経済再生担当大臣がワシントンを訪問する可能性が高まっている。今回の交渉で自動車への関税見直しに道筋をつけるとの見通し。政府のシナリオとして、今回の閣僚交渉で方向性を固め、6月15-17日にカナダで開催される主要7カ国首脳会議(G7)での日米首脳会談で、一定の合意を目指すとしている。また、加藤勝信財務相が、来週カナダで開かれるG7財務相・中央銀行総裁会議の場でベッセント米財務長官との2国間協議の場を設けたい意向も示している。
今週、トヨタ自<7203>やホンダ<7267>など自動車株は、昨年比でのドル安円高推移や米国関税政策などの影響を懸念し、弱気な今期見通しを発表したことから弱い動きが目立った。ただ、今後の日米交渉の進展次第で、見直し買いが入る余地は十分あると考える。来週は日米閣僚間の交渉内容を見極めたいとするムードが強まりそうだが、結果次第では自動車株だけではなく、日経平均やTOPIXが再度、強含む展開も期待できよう。
■23日に4月の国内消費者物価指数
来週、国内では、19日に3月第3次産業活動指数、21日に4月通関ベース貿易収支、22日に3月機械受注、23日に4月消費者物価指数などが予定されている。
海外では、19日に中・4月新築住宅販売価格、鉱工業生産指数、小売売上高、欧・4月ユーロ圏消費者物価指数(確報値)、米・4月景気先行指数、20日に中・5月最優遇貸出金利、豪・豪中銀政策金利、21日にNZ・4月貿易収支、英・4月消費者物価指数、小売物価指数、米・週次原油在庫、22日に独・5月Ifo景況感指数、欧・5月ユーロ圏サービス業PMI(速報値)、製造業PMI(速報値)、英・5月製造業PMI(速報値)、サービス業PMI(速報値)、米・週次新規失業保険申請件数、5月製造業PMI(速報値)、サービス業PMI(速報値)、コンポジットPMI(速報値)、4月中古住宅販売件数、23日にNZ・第1四半期小売売上高、英・4月小売売上高、独・第1四半期実質GDP(確報値)、米・4月新築住宅販売件数などが予定されている。
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