後場に注目すべき3つのポイント~売買一巡後は様子見姿勢強まる展開に
12日の後場の日本株市場では、日経平均が反発しているが、売買が一巡した後は様子見の姿勢が強まると予想される。米国株が前日に続落した影響もあるが、東京市場では為替の影響を受けて日経平均は一時37000円に迫る動きを見せた。個別銘柄では、ソニーグループが値上がり寄与1位で、中外製薬が続く好調ぶりが目立ち、ラインヤフーやコンコルディアも堅調に推移。半面、半導体関連株や、一部前日上昇した銘柄が反落するなど、全体的には慎重な動きが続いている。為替市場ではドル・円が小じっかりと推移し、147円後半から148円のレンジで取引されている。市場の関心は米国の経済指標と、日銀総裁の金利に関するコメントにも集まっている。
・日経平均は反発、売買一巡後は様子見姿勢強まる展開に
・ドル・円は小じっかり、日本株の反発で
・値上がり寄与トップはソニーグループ<6758>、同2位は中外製薬<4519>
■日経平均は反発、売買一巡後は様子見姿勢強まる展開に
日経平均は反発。前日比105.72円高(+0.29%)の36898.83円(出来高概算8億8000万株)で前場の取引を終えている。
11日の米国株式市場は続落。ダウ平均は478.23ドル安の41433.48ドル、ナスダックは32.22ポイント安の17436.10で取引を終了した。デルタ航空や小売り企業による消費鈍化警告で、警戒感が広がり、寄り付き後、下落。カナダによる国内電力価格引き上げに対抗しトランプ大統領がカナダ産鉄鋼とアルミニウム関税引き上げを警告し、貿易摩擦拡大懸念に相場は大幅続落となった。警戒感に軟調推移が続いたが、終盤にかけて、ウクライナがトランプ政権提案の停戦案を受け入れる用意があると発表、トランプ大統領がウクライナ情報共有と安全保障支援再開で合意したとの報道を受け停戦期待が広がり、さらに、カナダとの協議後、貿易を巡る懸念も緩和し、相場は下げ幅を縮小し終了。
米国株が続落となったものの、為替が1ドル147円台後半と円高進行が一服したことなどから、東京市場は前日終値水準で取引を開始。日経平均は小幅マイナスでスタートした後は切り返し37000円に迫る動きも見られた。ただ、前日の乱高下などが影響して積極的な売買は手控えられ、売買一巡後の日経平均は前日終値水準での小動きが続いた。
日経平均採用銘柄では、子会社が消費者金融事業で堅調と報じられたラインヤフー<4689>が昨年来高値を更新したほか、増配予想の発表と証券会社によるポジティブなレポートが材料視されたコンコルディア<7186>も上昇。また、防衛システム事業の業容拡大が伝わった三菱電機<6503>も買われ、三菱重工業<7011>、川崎重工業<7012>、日本製鋼所<5631>など前日売られた防衛関連の一角も上昇した。このほか、良品計画<7453>、しずおかFG<5831>、ソニーグループ<6758>、スクリーンHD<7735>、住友電工<5802>などが買われた。
一方、レーザーテック<6920>、アドバンテスト<6857>、ソシオネクスト<6526>、SUMCO<3436>など半導体株の一角が下落した。また、横河電機<6841>、あおぞら銀行<8304>など前日買われた銘柄が反落。このほか、SUBARU<7270>、住友重機械工業<6302>、セイコーエプソン<6724>、オリエンタルランド<4661>、ミネベアミツミ<6479>などが売られた。
業種別では、銀行、保険、非鉄金属、証券・商品先物、電気・ガスなどが上昇した一方、海運、パルプ・紙、空運、陸運、不動産などが下落した。
投資家の心理状態を示す日経VIは28ポイント前後で推移しており、日経平均が小動きな割にはさほど下落していない。週末に3月限先物・オプション特別清算指数(SQ値)算出を控えていることも影響してか、警戒感は払しょくされていない様子。後場の日経平均も前場同様、小動き推移が続くと考える。
■ドル・円は小じっかり、日本株の反発で
12日午前の東京市場でドル・円は小じっかりの値動きとなり、147円70銭から148円15銭まで値を上げた。日経平均株価は安寄りもプラスに転じ、日本株高を好感した円売りに振れた。また、米10年債利回りは高止まりし、ドル買い基調を強めた。
ここまでの取引レンジは、ドル・円は147円70銭から148円15銭、ユーロ・円は161円22銭から161円68銭、ユーロ・ドルは1.0903ドルから1.0918ドル。
■後場のチェック銘柄
・Synspective<290a>、ジィ・シィ企画<4073>の、2銘柄がストップ高
※一時ストップ高(気配値)を含みます
・値上がり寄与トップはソニーグループ<6758>、同2位は中外製薬<4519>
■経済指標・要人発言
【経済指標】
・米・1月JOLT求人件数:774万件(予想:760万件、12月:750.8万件←760万件)
【要人発言】
・植田日銀総裁
「長期金利、市場で自由に形成されることが基本」
「長期金利、経済・物価の見方や海外金利等を反映」
「長期金利、市場の見方と日銀の見方に大きな違いはない」
「将来の短期金利予想に反映して長期金利が動くのは自然な姿」
「長期金利上昇による財政への影響、政府・国会が決めていくもの」
<国内>
・特になし
<海外>
・特になし
<CS>
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