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米中不安を背景にリスク回避の動き【クロージング】


*16:10JST 米中不安を背景にリスク回避の動き【クロージング】 16日の日経平均は急反落。472.07円安の31766.82円(出来高概算13億3000万株)と7月12日以来約1カ月ぶりに32000円を割り込んで取引を終えた。米金融不安や中国景気の減速懸念を背景にリスク回避の動きが優勢となり、日経平均は32000円を割り込んで始まり、前場中盤にかけて、31784.91円まで下げ幅を広げた。ただ、下値のめどの一つされる7月12日の安値(31791.71円)を下回ると押し目を拾う動きもみられた。しかし、日米の長期金利が上昇傾向にあるため、金利動向に敏感なグロース株の先行き懸念は拭えず、 けにかけては再び下げ幅を広げ、31766.82円と安値で引けた。

東証プライムの騰落銘柄は、値下がり銘柄が1400を超え、全体の8割近くを占めた。セクター別では、建設、電気ガス、水産農林の3業種を除く30業種が下落。石油石炭、卸売、鉄鋼、銀行、鉱業、海運の下げが目立っていた。指数インパクトの大きいところでは、アドバンテス<6857>、アステラス薬<4503>、セコム<9735>、大和ハウス<1925>がしっかりだった半面、ファーストリテ<9983>、ソフトバンクG<9984>、東エレク<8035>、ダイキン<6367>が軟調だった。

前日の米国市場は、格付け大手フィッチ・レーティングスが米銀大手JPモルガン・チェースを含む約70行の信用格付けについても引き下げる可能性があると米メディアが伝えたことが嫌気され、主要株価指数は下落。この流れを引き継ぎ、金融株や値がさハイテク株中心に幅広く売りが先行して始まった。また、中国景気に対する警戒感が広がったことも、危機回避の動きを増幅させた。

日経平均は大幅に反落したが、先行き懸念は拭えていない。目先的には下値のめどとみられる75日線水準を意識した動きが続くだろう。ただし、75日線を大きく下抜けてしまえば、調整が長引くことも想定される。こうしたなか、米国では16日、7月開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨が発表される。9月以降の金融政策を見極める上でも関心が集まろう。また、来週24日からはジャクソンホール会合の開催も控えており、各国中銀による金融政策に関する発言内容も確認したいところである。

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