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後場に注目すべき3つのポイント~ワクチン期待などで約半年ぶりの高値水準


13日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

・日経平均は3日続伸、ワクチン期待などで約半年ぶりの高値水準
・ドル・円は下げ渋り、日本株の強含みで円売り
・値上がり寄与トップはソフトバンクG<9984>、同2位がファーストリテ<9983>

■日経平均は3日続伸、ワクチン期待などで約半年ぶりの高値水準

日経平均は3日続伸。428.38円高の23272.34円(出来高概算7億412万株)で前場の取引を終えている。


前日12日の米国株式相場は反発。ダウ平均は289.93ドル高の27976.84ドル、ナスダックは229.42ポイント高の11012.24ポイントで取引を終了した。最近の好調な経済指標や四半期決算を受けて、経済活動の再開にともなう回復期待が広がったほか、追加財政策を巡る議会折衝も時間の問題との楽観的な見方から上昇して寄り付いた。昨日は大きく下落したハイテク株にも買いが広がり、引けにかけて上げ幅を拡大した。


米国株高を受けた今日の東京株式市場は買い優勢の展開となった。日経平均は寄付き段階で約3カ月ぶりの23000円台乗せとなり、その後、新型コロナで急落する前の水準(2月21日の23386円)に接近した。新型コロナウイルス感染拡大や米中対立激化への懸念は継続しているが、東京市場でも米国同様、新型コロナワクチン開発進展やワクチン実用化による経済正常化期待が大きく、株価支援要因となった。また、4-6月期決算発表が今週でほぼ一巡することから、企業業績に対する過度の警戒感もやや後退した。


個別では、感染管理事業拡大で20年12月期(9カ月決算)業績予想を上方修正した大幸薬品<4574>、4-6月期連結営業損益が前年同期の0.47億円の赤字から1.63億円の黒字に転じたアステリア<3853>が20%近い大幅高となり、また、20年12月期上半期(中間期)連結営業利益が従来予想の29.81億円を上回り33.44億円となったJACR<2124>、今期業績予想を上方修正した住友林業<1911>、チェンジ<3962>、パーソルHD<2181>が10%を超す上昇となり、20年3月期連結営業利益が前期比20.4%増で21年3月期も同1.3%増予想と連続最高益予想と発表したパンパシHD<7532>が上げた。


また、昨日の米国市場でフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が3%を超す上昇となったことを受け、東エレク<8035>、レーザーテック<6920>などの半導体関連株も堅調だった。


一方、今期業績見通しが市場予想を下回り減益と発表したCKD<6407>、第3四半期連結営業利益が前年同期比20.4%減と中間期段階の同3.7%減から減益率が拡大したフィックスターズ<3687>、21年3月期は1000億円の営業赤字予想と発表したJFEHD<5411>、21年3月期は300億円の営業赤字予想と発表した昭和電工<4004>が下落した。


セクターでは、精密機器、ガラス土石製品、電気機器、医薬品、金属製品などが上昇率上位。一方、鉄鋼、空運業、海運業、不動産業、電気・ガス業などが下落率上位だった。東証1部の値上がり銘柄は全体の58%、対して値下がり銘柄は36%となっている。


このところ市場では「グロース(成長)株かバリュー(割安)株か」といった議論が活発だ。もちろん重要な議論だが、グロース株、バリュー株を横断したもう一つの視点も必要かもしれない。業績という視点だ。今週で4-6月期決算発表が一巡する。発表前には好決算発表による全体相場の押し上げも期待されたが、やや失望感が強い内容だったようだ。日経平均は決算発表たけなわの7月31日に21700円付近まで下落したが、今日の前場では約3カ月ぶりに23000円の大台を回復し、半年ぶりの高値水準となった。8月に入って以降の日経平均の上げ幅は1500円を超しており、決算内容は期待を上回るものではなかったが、相場全体としては4-6月期決算を「無事」に織り込み、次に向けて動き始めたようだ。


だが、個別銘柄に目を移すと「無事」とは言えない。いくつか見てみる。まず、以前当欄でも取り上げたアドバンテスト<6857>。7月30日に発表した4-6月期決算で連結営業利益が前年同期比11.2%減となったことを受け、翌31日はストップ安比例配分と容赦なく売られ、同日の日経平均を21700円近辺に押し下げた。「アドバンテストショック」とでも言えそうな相場だった。ただ、「ショック安」であれば急落後は押し目買いに急反発しても良いのだが、同社株にその気配はなく、ここにきてようやく底が入ったかなといった雰囲気だ。すでに決算発表から2週間近く経っている。業績への期待感は大部分剥がれ落ちたようだ。


また、7月28日に20年12月期連結営業利益が前期比74.2%減の予想と発表したキヤノン<7751>は急落し7月31日に安値を付けた。1月の高値から50%近い下落率で、約21年ぶりの安値となってしまった。


一方、8月3日に4-6月期連結営業利益が前年同期比44.7%増加したと発表したイビデン<4062>は決算発表後昨日まで20%を超す上昇となり、同様に好決算を発表した日本電産<6594>は10%超、DeNA<2432>は40%近い上げとなった。その後も高値圏で堅調で、イビデンとDeNAは昨日年初来高値となり、日本電産は今日も年初来高値を更新した。また、4-6月期営業黒字を確保したトヨタ<7203>は今日まで8日続伸だ。


決算発表を受けた株価が明暗を分けるのはいつものことだが、この4-6月期決算は、いつにも増して上昇銘柄と下落銘柄が鮮明になっているようだ。コロナ禍の中で各企業が何をしていたか、ウィズコロナやアフターコロナに向け何をしてきたかが問われたのが今回の決算なのだろう。グロース株の中でも銘柄が峻別され、バリュー株の中でも明と暗がより鮮明になっていきそうだ。


さて、後場の東京株式市場で日経平均はもみ合いとなりそうだ。市場にはリスクオンムードが広がっており、下値は売りにくい。一方、今週に入って今日前場までの日経平均の上げ幅は900円を超しており、上昇ピッチが速すぎるとの見方も多い。今晩は米国で新規失業保険申請件数の発表を控えていることもあり、高値圏ながらやや様子見ムードが広がりそうだ。


■ドル・円は下げ渋り、日本株の強含みで円売り

13日午前の東京市場でドル・円は下げ渋り。米10年債利回りの低下を背景にドルが主
要通貨に対して売られ、対円では一時106円60銭まで弱含んだ。ただ、日経平均株価は2
3000円台を回復するなど堅調地合いとなり、リスク選好の売りがドルをサポートした。


ここまでの取引レンジは、ドル・円は106円60銭から106円92銭、ユーロ・円は125円9
2銭から126円06銭、ユーロ・ドルは1.1782ドルから1.1817ドル。


■後場のチェック銘柄

・ケアネット<2150>、チェンジ<3962>など、9銘柄がストップ高

※一時ストップ高(気配値)を含みます

・値上がり寄与トップはソフトバンクG<9984>、同2位がファーストリテ<9983>


■経済指標・要人発言

【要人発言】
・バスカンドNZ準備銀行副総裁
「コロナ感染再拡大やロックダウンなら、銀行は追加刺激策を検討」
・ハニャホ南ア準備銀行総裁
「南アの恒久的な高成長をだれもが望むが、中銀の能力を超えている」
「極めて困難な状況だが、量的緩和はその答えではない」

【経済指標】
・日・7月企業物価指数:前年比-0.9%(予想:-1.1%、6月:-1.6%)
・豪・7月失業率:7.5%(予想:7.8%、6月:7.4%)
・豪・7月雇用者数増減:+11.47万人(予想:+3.0万人、6月:+22.84万人←+21.08万


<国内>
特になし

<海外>
・15:00 独・7月消費者物価指数改定値(前年比予想:-0.1%、速報値:-0.1%)



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