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欧米為替見通し:ドル・円は伸び悩みか、米中協議の期待再燃も米経済指標にらみ


5日の欧米外為市場では、ドル・円は伸び悩む展開を予想する。米中貿易協議の先行きへの過度な懸念は後退し、ややリスク選好的な円売りに振れやすい見通し。ただ、米経済指標が低調な内容となれば景気減速が意識され、一段のドルの上昇は抑えられそうだ。

米中貿易協議に関する情報に翻ろうされている。トランプ大統領は今週、貿易合意について来年11月の大統領選後にずれ込む可能性に言及し、市場を失望させた。しかし、トランプ政権の交渉担当者の合意間近との見方が報じられ、懸念はいったん後退。前日の海外市場では株高などを手がかりにリスクオンのムードが再び強まり、ドル・円は108円後半に浮上した。本日のアジア市場でもその流れを受け継ぎ、堅調な日経平均株価や上海総合指数などを背景とした円売りが主要通貨を押し上げている。ただし、主要通貨の上昇ペースは緩慢なようだ。

この後の海外市場でも、米中協議の行方を注視する展開に変わりはなさそうだ。米下院ではウイグル人権法案が可決されており、米中の外交関係の悪化が通商協議に波及する恐れは十分に残る。そのため、根強い警戒が主要通貨の上昇を抑える見通し。一方、今晩発表の米経済指標も材料視される。特に、2日のISM製造業景況指数が前回を下回ったことが引き続き嫌気されており、本日の製造業受注は改善予想を下回る可能性もあろう。その際には、明日の雇用統計の悪化に思惑が広がり、ドルは下押しされるだろう。(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】
・19:00 ユーロ圏・10月小売売上高(前月比予想:-0.5%、9月:+0.1%)
・19:00 ユーロ圏・7-9月期GDP確定値(前年比予想:+1.2%、改定値:+1.2%)
・22:30 米・10月貿易収支(予想:-485億ドル、9月:-525億ドル)
・22:30 米・先週分新規失業保険申請件数(予想:21.5万件、前回:21.3万件)
・22:30 カナダ・10月貿易収支(予想:-14.5億加ドル、9月:-9.8億加ドル)
・24:00 米・10月製造業受注(前月比予想:+0.3%、9月:-0.6%)
・24:00 米・10月耐久財受注改定値(前月比予想:+0.6%、速報値:+0.6%)
・24:00 クオールズ米FRB副議長上院証言(金融監督・規制関連)
・EU財務相理事会
・OPEC総会





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