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欧米為替見通し:ドル・円は底堅い値動きか、米中部分合意で米地区連銀総裁の見解を注視


15日の欧米外為市場では、ドル・円は底堅い値動きを予想する。前週の米中貿易協議での部分合意が好感され、円安方向に振れやすい。安全通貨のドルも下落基調が見込まれるものの、米地区連銀総裁からあまりハト派的でない見解が聞かれれば、ドルの買い戻しが入りそうだ。

前週開催された閣僚級の米中貿易協議での部分的な合意を受け、3連休明けの東京市場では日本株高を背景にリスク選好的な円売りに振れやすい地合いが広がった。報道はまちまちの内容で先行きの不透明感は払しょくされていないが、米中両国の摩擦の激化はいったん回避され、外為市場は安全通貨のドルや円、スイスフランが売られやすい。ドル・円はドル売りと円売りでもみ合う展開だが、108円前半で底堅さが目立つ。
黒田日銀総裁が一段の緩和的な金融政策に言及したほか、中国の底堅いインフレ指標で景気減速の懸念が弱まったことも円売りを支援したようだ。

この後の海外市場では、引き続き米中の摩擦解消期待でリスクオンのムードが広がりやすい。今晩はセントルイス、アトランタ、カンザスシティー、サンフランシスコの各地区連銀総裁による講演や討論会での発言が注目される。連邦準備制度理事会(FRB)は今月末の連邦公開市場委員会(FOMC)で3会合連続の追加利下げに踏み切る公算。
ただ、米中の部分合意を受け、12月の利下げに否定的な見解が示されればドル買いが入りやすいだろう。一方、ドイツのZEW景気期待指数の低調な内容やブレグジットの先読み困難な展開は欧州通貨売りを誘発し、ドル・円を押し上げる可能性もあろう。(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】
・17:25 ブラード米セントルイス連銀総裁講演(ロンドン)
・17:30 英・6-8月ILO失業率(予想:3.8%、5-7月:3.8%)
・17:30 カーニー英中銀総裁議会公聴会出席
・18:00 独・10月ZEW景気期待指数(予想:-26.4、9月:-22.5)
・22:00 ボスティック米アトランタ連銀総裁講演
・01:45 ジョージ米カンザスシティー連銀総裁討論会参加
・04:30 デイリー米サンフランシスコ連銀総裁講演

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