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欧米為替見通し:ドル・円は底堅い展開か、欧州通貨売りで資金流入


4日の欧米外為市場では、ドル・円は底堅い展開を予想する。足元の上昇ペースが速く、利益確定などのドル売りが先行する見通し。ただ、欧州通貨が買いづらいなか、堅調な米経済を背景とした連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ継続方針を材料に、ドル選好地合いが続きそうだ。

ドル・円は前日のNY市場で、昨年11月以来11カ月ぶりの高値となる114円54銭まで強含み、そのまま取引を終えた。本日のアジア市場早朝も114円半ばで寄り付き、昨年3月以来の115円が視野に。ただ、昨年3月以降、ドル・円の114円半ばの水準は何度か上昇を阻止されており、市場では上値抵抗のレベルとして意識されている。また、9月7日に110円38銭に下落した後は上昇に転じ、特にこの1週間で2円程度値を切り上げるなど上昇ペースの速さが指摘される。こうした経緯から、本日はアジア株や日経平均株価の弱含みを手がかりに利益確定のドル売りが観測され、114円前半に失速した。

ただ、ドル買い基調に振れやすい地合いは目先も続きそうだ。イタリアの債務問題をめぐり同国と欧州連合(EU)の関係に先行き不透明感が広がり、ユーロ・ドルは支持線とみられていた1.15ドルを明確に割り込んだ。また、ブレグジットで英国の混迷が予想され、ポンドも売られやすい。そのため、消去法的にドルが選好される地合いとなっている。また、米FRB当局者の発言も、ドル買いを誘発。パウエル議長は今週の講演で、雇用情勢の改善やインフレの上昇などを挙げ「際立った」米国経済の強さを強調し、引き締めの必要性を繰り返した。(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】
・21:30 米・先週分新規失業保険申請件数(予想:21.5万件、前回:21.4万件)
・23:00 米・8月製造業受注(前月比予想:+2.1%、7月:-0.8%)
・23:00 米・8月耐久財受注改定値(前月比予想:+4.5%、速報値:+4.5%)
・22:15 クオールズ米FRB副議長講演(地域金融機関関連)



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