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欧米為替見通し:ドル・円はもみ合いか、米雇用統計強弱まちまちなどで方向出にくい


9日の欧米外為市場では、ドル・円はもみ合いの展開が予想される。前週末発表された米国の6月雇用統計は強弱まちまちの結果となり、米株が上昇する一方、米長期金利はやや低下し、円売り、ドル売りの状態になっている。また、米中通商摩擦はついに貿易戦争へと発展したが、市場ではまだ悲観楽観ミックスのムードであり、今のところドル・円相場が一方向に動く感じはない。

6日に発表された米国の6月雇用統計では、非農業部門雇用者数が予想外に2カ月連続で20万人台の伸びを示したが、失業率が予想に反して上昇したほか、賃金の伸びが予想を下回り前月と同水準の伸びにとどまった。これにより、株高となる一方、長期金利はやや低下し(市場が織り込む年内の利上げ確率は若干低下)、ドル買いの後、ドル売りになった。労働市場の良好な拡大基調は変わらないが、やや改善余地が残る状況が示され、各金融市場にとってはそれぞれ都合よく受け止められる結果になったといえそうだ。

さて、米国が中国による知的財産侵害への制裁として追加関税を発動し、中国も報復関税を発動。米中通商摩擦はついに貿易戦争へと発展した。トランプ大統領は2週間以内に制裁関税第2弾を発動する可能性を示唆しており、貿易戦争が拡大する可能性がある。ただ、中国企業の対米投資制限に関しては強硬措置を回避しており、事態が深刻化するとは考えにくいとの見方がある。また、米国の欧州連合(EU)からの自動車輸入制限検討についても欧米で打開策を探る動きが出てきており、通商政策をめぐるリスクは緩和しつつあるとの見方もある。

【今日の欧米市場の予定】
・22:00 ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁が欧州議会で証言
・04:00 米・5月消費者信用残高(予想:+120.00億ドル、4月:+92.62億ドル)




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