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欧米為替見通し:ドル・円は小じっかりの展開か、ECBがハト派寄りならユーロ急落も


今日の欧米外為市場では、ドル・円は小じっかりの展開を想定したい。日銀による緩和的な金融政策の維持を手がかりに、円売りに振れやすい値動きが続く見通し。一方、欧州中央銀行(ECB)が金融正常化に慎重な見解を示せば、期待先行で上昇したユーロ・ドルが下げ、ドル・円の押し上げ要因となりそうだ。

日銀は19-20日に開催した金融政策決定会合で、現行の金融政策の据え置きを決めた。また、2017-2018年度の実質成長率見通しを小幅に上方修正する一方、2%の物価目標の達成時期を2018年度から「2019年度ごろ」とした。日銀の政策決定を受け、本日午後のアジア市場では目先の「異次元緩和」継続が見込まれ、円売り基調が強まった。欧米市場でも円売り先行となり、ドル・円、クロス円を押し上げそうだ。

今晩の海外取引時間帯では、20時45分のECBによる政策金利発表と、21時半のドラギ総裁の記者会見が焦点。ECBは政策金利0.00%とする現行の金融政策を維持するほか、資産購入プログラムの縮小に関しては、9月7日の会合に持ち越される見通し。一方、ドラギ総裁が金融正常化に向けタカ派寄りの見解を示した場合には、目先の緩和縮小を見込んだユーロ買いが強まろう。

ただ、ECBはユーロ圏経済に関し、個人消費を柱に回復基調が強まっているとの見方でほぼ一致するものの、物価に関しては慎重な意見が根強い。ビルロワドガロー仏中銀総裁は前日、インフレ目標に達していないとして緩和的な金融政策が「引き続き必要」と述べた。ドラギ総裁の発言も想定よりハト派寄りになるとみられ、これまでのユーロ買い・ドル売りが巻き戻される可能性があろう。その影響でドル買い・円売りが加速するかもしれない。(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】
・17:00 ユーロ圏・5月経常収支(4月:+215億ユーロ)
・17:30 英・6月小売売上高(前月比予想:+0.4%、5月:-1.2%)
・20:45 欧州中央銀行(ECB)が政策金利発表(0.00%に据え置き予想)
・21:30 ドラギECB総裁会見
・21:30 米・先週分新規失業保険申請件数(予想:24.5万件、前回:24.7万件)
・21:30 米・7月フィラデルフィア連銀製造業景況指数(予想:23.0、6月:27.6)
・22:00台 南ア中銀が政策金利発表(7.00%に据え置き予想)
・23:00 米・6月景気先行指数(前月比予想:+0.4%、5月:+0.3%)



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