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欧米為替見通し:ドル・円は小じっかりの展開か、米CPIや小売売上高に注目


今日の欧米外為市場では、ドル・円は小じっかりの展開を予想する。今晩発表の米国の4月消費者物価指数(CPI)が予想通りの伸びとなれば、連邦準備制度理事会(FRB)の6月利上げ観測を背景に、ドルを押し上げるとみられる。また、日米財務相会談の内容も注目されそうだ。

欧米取引時間帯では、米国の4月消費者物価指数(21時半)や4月小売売上高(同)などの経済指標の発表が手がかり材料となる。このうちCPIは前月から小幅低下が見込まれている。しかし、今週発表されたインフレ関連指標は、4月輸入物価指数が前月比+0.5%(予想+0.1%)、4月生産者物価指数は前月比+0.5%(同+0.2%)、といずれも予想を上回った。今晩のCPIも堅調となればFRBの6月利上げに向け、有力な手がかりとなりそうだ。また、連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を持つエバンス・シカゴ連銀総裁の討論会参加(22時)やハーカー・フィラデルフィア連銀総裁の講演(13日1時半)もあり、強気な発言が聞かれればドルを押し上げる材料となろう。

こうしたなか、今晩から2日間、イタリア南東部のバーリで主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議が開催される。今年3月にドイツで行われた20カ国(G20)財務相・中央銀行総裁会議と同様、13日に公表される共同声明には反保護主義に関する文言が削除される見通し。一方、麻生財務相とムニューシン米財務長官の日米財務相も注目される。トランプ大統領は不均衡貿易の是正を目指し、これまでドル高や利上げ方針をけん制したのに対し、ムニューシン氏は「強いドルは長期的に良いこと」とのスタンス。財務相会談を通じて同様の見解が示されれば、長期的なドル売り観測はいったん後退する可能性もある。
(吉池 威)


【今日の欧米市場の予定】
・18:00 ユーロ圏・3月鉱工業生産(前月比予想:+0.3%、2月:-0.3%)
・21:30 米・4月消費者物価指数(前年比予想:+2.3%、3月:+2.4%)
・21:30 米・4月小売売上高(前月比予想:+0.6%、3月:-0.2%)
・23:00 米・5月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値(予想:97.0、4月:97.0)
・23:00 米・3月企業在庫(前月比予想:+0.1%、2月:+0.3%)
・22:00 エバンス米シカゴ連銀総裁が討論会参加(ダブリン、経済情勢と金融政策)
・01:30 ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁講演(経済見通し)
・時間未定:日米財務相会談(イタリア)




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