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欧米為替見通し:ドル・円は伸び悩みか、目先の円高リスクを意識


今日の欧米外為市場では、ドル・円は伸び悩む展開を予想する。米中首脳会談など重要イベントを前に動きづらいなか、米経済指標や連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨が材料視される見通し。ただ、来週以降の円高材料が意識され、ドル買いは小幅にとどまろう

今晩は、米国の3月ADP全米雇用報告(21時15分)、FOMC議事要旨(6日3時)の発表が注目される。ADP全米雇用報告は前月から伸びが鈍化することが見込まれているものの、予想に沿った内容なら、7日の3月雇用統計は市場コンセンサス並みの水準が期待され、連邦準備制度理事会(FRB)による年内3回ペース(3月を含む)の利上げ観測を後押しするだろう。

また、3月14-15日に開催されたFOMC議事要旨では、昨年12月以来、3カ月ぶりの利上げを決定した会合で、タカ派寄りの内容が予想され、ドル買い材料となりそうだ。ただ、次の利上げ実施は6月以降になるとみられるため、いずれもドルを大きく押し上げる手がかりとはなりにくいだろう。

一方、6-7日の日程で開催される米中首脳会談では、通商政策や北朝鮮問題が焦点。前日発表された米国の2月貿易収支は赤字幅が予想以上に改善したが、米国は対中貿易不均衡の是正を目指し厳しい姿勢で交渉に臨む考えで、通貨安誘導の国にトランプ政権が制裁を加えるとの報道も意識される。ある市場筋は「今月中旬の日米経済対話への影響を考慮すると、来週明け以降は円高に振れやすい展開になるだろう」との見方を示す。また、北朝鮮が今朝弾道ミサイルを発射したことに関連し、強硬姿勢の米国が中国に対し経済制裁などで北朝鮮に圧力をかけるよう求める見通し。内容次第では地政学リスクの増大につながるため、円買い要因となりそうだ。(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】
・17:00 ユーロ圏・3月サービス業PMI改定値(予想:56.5、速報値:56.5)
・17:30 英・3月サービス業PMI(予想:53.4、2月:53.3)
・20:00 米・MBA住宅ローン申請指数(先週)(前回:-0.8%)
・21:15 米・3月ADP全米雇用報告(予想:+18.5万人、2月:+29.8万人)
・22:45 米・3月サービス業PMI改定値(予想:53.1、速報値:52.9)
・23:00 米・3月ISM非製造業景況指数(総合)(予想:57.0、2月:57.6)
・03:00 米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(3月14-15日分)




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