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NYの視点:市場はFRBのピーク金利再び5%超織り込む、労働市場強く


米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げ継続を強いられるとの見方が再び強まった。インフレがピーク達成した兆候が見られる一方で、労働市場の過熱感が存続。需要の鈍化に伴い主要各企業が雇用削減計画を発表しているが、まだ、雇用関連指標には雇用鈍化の兆候があらわれていない。

また、1月ISM非製造業景況指数は再び活動の拡大を示す50台を回復。米国経済の7割を占める消費が引き続き堅調である証拠となり、リセッション懸念も和らいだ。また、1月雇用統計は失業率が3.4%と、予想外に一段と低下し53年ぶりの低水準を記録。非農業部門の雇用者数も50万人超の大幅な伸びを示すなど、労働市場のひっ迫が継続している証拠となった。

12月JOLT求人件数は再び昨年7月以来の1100万件台に予想外に増加。総失業者数5.694百万人で、1人の失業者に対し、求人件数はほぼ2件の割合となる。また、雇用者の労働市場への自信をあらわすとして注目となる自主退職の割合は2.7%と、高止まり。パンデミック前の2019年末の2.3%を上回っている。
週次の失業保険申請件数も減少を続け、20万件割れで推移した。

コンファレンスボードが発表した1月の米国ETI(employment trends index)は2カ月連続で上昇。22年の低下傾向から転換した。コンファレンスボードのエコノミストは金利の上昇にもかかわらず広範な人員削減の傾向は見られず、依然新規雇用が上回っているとコメント。力強い雇用が続いており、ETIを非常に高い水準に引き上げ。人手不足の状況が続いているとした。時給の伸びは前年比+4.4%と、依然パンデミック前の水準を上回るが、昨年の5.9%から鈍化傾向。

イエレン米財務長官が指摘するように、過去最低水準の失業率の経済で、景気後退入りは考えにくい。今まで、インフレがピークを付け深刻な景気後退入りを想定し、短期金融市場は12月の0.5%の利下げを織り込んでいた。FRB高官の発言にもかかわらず、ピーク金利も5%に未達と見ていた。しかし、ここにきて、強い労働関連指標や堅調な消費関連の指標を受けて市場はFRBが政策金利を5%超に引き上げる必要性がでてくることを再び織り込み始めた。

■米雇用関連指標
1月雇用トレンド(コンファレンスボード):118.74(12月117.06)
1月雇用統計:失業率3.4%、非農業部門雇用者数:+51.7万件
12月JOLT求人:1101.2万件(11月1044万件)
週次失業保険申請件数
01/28/23|   183,000|    -3,000|  191,750|   n/a
01/21/23|   186,000|    -6,000|  197,500| 1,655,000
01/14/23|   192,000|   -14,000|  206,750| 1,666,000
01/07/23|   206,000|       0|

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